活動報告

「人を生かす経営」を学ぶ学習会(1月19日)

誇りと働きがいのある企業づくり

川中 英章氏  (株)EVENTOS(広島同友会)

積極的にチャレンジし、夢の持てる会社を目指す

積極的にチャレンジし、夢の持てる会社を目指す

「この会社だめです」

川中英章氏は大学職員を退職し創業。仕出し事業や、広島で初のワインレストランを立ち上げますが、スタッフは他のホテルから引き抜いた社員ばかりで経営理念の共有もできておらず、入社しても1年経ずに退社する有様でした。当然、債務超過で経営破綻の恐れがありました。社員からは「『この』会社だめです」と、他人事のように言われ、悔しい思いをします。

創業時に描いた社員の思いを受け止められる会社づくりがしたいと、同友会に入会。共同求人活動で初年度に6名採用します。しかし、料理の腕は盗むものだという現場の風土と教育体制の不備もあり、全員退社してしまいます。また、採用活動を通じて飲食業の社会的地位が低いことも痛感し、これではだめだと経営指針づくりに取り組みました。

空振り3振ができる社風に

安心して長く働ける会社、愛着、誇り、夢が持てる会社にしようと、将来のビジョンを示し、社員の夢や目標との共有を図ります。教育体制や1カ月の特別休暇など、社員からの声を受け止め1つひとつ改善していきました。

社員の失敗を川中氏はすぐに怒っていましたが、それでは社員が委縮し、成長の芽を摘んでしまいます。見逃しの3振ではなく、思いっきり空振り3振のできる社風にしたいと積極的なチャレンジミスを奨励。社長や先輩がフォローするようにしました。すると社員からの発案も生まれるようになり、農業分野の新事業もスタートしました。

「まだまだ課題ばかりですが、社員からは『この』ではなく『うちの』会社だめですになりました。是非とも自分たちで会社を変えていってほしい」と更なる夢の実現に向けて、川中氏の熱い思いは膨らみます。