活動報告

男女共生委員会(2月21日)

ストップ!!ザ・介護離職

江上 幸江氏  (株)ケアコンシェルジュ

「企業風土は経営者が取り組めば醸成される」

「企業風土は経営者が取り組めば醸成される」

分科会で江上氏が報告

男女共生委員会では「男性も女性も働き続けられる会社づくり」を介護問題の側面から追求しており、昨年10月には「認知症の人と家族の会愛知県支部」と連携して中小企業における介護と経営問題に関するアンケートも実施しました。その繋がりから、日本福祉大学東海キャンパスで開催された同支部35周年記念行事「助けて!と言える社会を」のC分科会「ストップ!!ザ・介護離職~『仕事と介護の両立を』現状と対策」にて、江上幸江氏(ケアコンシェルジュ代表取締役)が、自身の介護体験とともに、中小企業経営者としての自社での取り組みを報告しました。

また、同分科会では江上氏のほか、介護離職の経験者、中小企業の労務顧問を務める社会保険労務士、学識研究者等の5名が報告者として登壇しました。

「母親が認知症となり会社に相談したら、自己都合退社を前提にしたパワハラやいじめを受けた。職場は有給休暇を取得できる雰囲気ではなく、上司に介護休業等の知識も無かった」という介護離職経験者の報告では、仕事と介護の両立は、社長の考えや職場環境に大きく左右される現実が浮き彫りとなりました。

「お互い様」の精神で

仕事柄、介護保険制度や介護サービス等に詳しい江上氏ですが、「私が母親と夫の介護を続けられるのは社長という立場だから。これが社員に起こっていたら、今のままでは社員も会社も守れない」といいます。

そこで、業務体制を見直し、まずは常に複数でフォローし合うスタイルを整えました。同時に、社員一人一人が「お互い様」と思い合う雰囲気づくりにも努めているそうです。

江上氏は、「自社の現状では、手厚い休暇制度を整備することは残念ながら難しい。しかし、社員が介護問題を抱え込んで大事になる前に、日常的なやり取りの中から心配や不安の芽を除き、一緒に考えることならできる。中小企業の企業風土は経営者自身が取り組まなければ決して醸成されることもないので、今後も経営者仲間に伝えていきたい」と結びました。