活動報告

第17期共育講座 事前学習会(4月22日)

なぜ共育が必要なのか ~経営者の責任

水戸 勤夢氏 (有)アーティストリー

「共に育つ」経営者の姿勢を語る水戸氏

「共に育つ」経営者の姿勢を語る水戸氏

社員と学ぶ共育講座(34社、107名が参加)では、経営者を対象に事前学習会を開催しました。水戸勤夢氏の報告を紹介します。

社会の主人公としての人間

自社は1994年に創業した会社で、店舗家具を中心に、機動力と細かい手加工を強みとしています。職人の世界は「見て覚えろ」でしたが、今は優しく丁寧に教えていく必要があるのかもしれません。若者の育ちも変わり、余白が少なくなっているように感じます。もっと、夢や楽しさ、人間の良さを伝えていかなければいけないと思います。

大久保尚孝著「中小企業の経営課題」には、「人間同士の分断は、社会にさまざまな混乱や戸惑いを発生させ、自己防御意識を育て、社会の主人公であるべき人間を孤独な生活へと追いやった」とあり、金儲けが主体となったが故に人間の生活が疎かになっている現実が書かれています。人が生きていく上で、助け合って集団で生活することが原点なのだと改めて感じます。

謙虚に学び続けること

9年前にNC機械を導入し、若い社員にも仕事を任せられるようになりました。技術革新の中で、新しいことを受け入れて常に学んでいく習慣が大切です。自分の仕事が何の役に立つのか、「何のために」を再確認し、社員一人ひとりが自分の仕事を考える機会を設けています。

人にとって学ぶことは生きがいであり、夢がなければ生きられないと思います。会社にもビジョンがあり、それに向かって経営者と社員と一緒になって歩むことで、学ぶことの必要性が生まれ、学ぶことで人も会社も成長していくと信じています。「共に育つ」とは人間として謙虚な姿勢で常に学ぶことだと思います。自社では「思いやり」を理念に掲げ、お互いに尊重し合うことを大事にしています。

夢や未来を見せることが私たち経営者の役割であり、目標や目的があってこそ学ぶ意欲が芽生え、それがつながったときに、生きること、働くこと、学ぶことが1つになっていくのだと思います。