活動報告

ダイヤモンド部会(1月17日)

同友会で生き方を学ぶ
~私育ての場所です

辻 陽子氏  (株)辻安全サービスセンター

命の尊さを語る辻氏

一番大切なものは「命」

1月のダイヤモンド部会では、辻安全サービスセンターの辻陽子氏に報告いただきました。

長崎に原子爆弾が投下された1945年、生後11カ月の辻氏は長崎にいました。運よく被爆は免れましたが、その後も辻氏の人生を、ポリオ(小児マヒ)や交通事故による左目の失明など、幾度となく荒波が襲いました。伊勢湾台風で家を流され、母と祖母を失った時、一番大切なものは「命」だと痛感したといいます。

そんな辻氏は、社長(現会長)である夫の辻宏夫氏との二人三脚で、安全靴やヘルメットなど安全保護具の販売を営んできました。創業10年目のある日、朝に保護具を届けたお客様が、昼に労災事故で亡くなりました。その出来事から、ただ保護具を売るのではなく「安全」そのものの啓蒙こそ「安全屋」としての使命だと痛感したといいます。

「安全屋」として

宏夫氏は安全に関する様々な講師資格を取得、安全コンサル業として事業転換します。「働く人の生命を守る。労災死亡事故をゼロにする。安全リーダーを応援する」という経営理念の下、企業向けに安全衛生教育を始めました。

育児と介護をしながら夫をサポートしてきた辻氏も、同講師資格を取得し、ナンバー2として経営に参画しました。同友会では女性経営者の会や全国会合にも積極的に参加し、多くの出会いの中から経営に携わる人間としての生き方を学びました。

「朝、出勤した社員を、夜には安全に家族のもとに帰すことこそ、『人を生かす経営』の基本中の基本だと、安全屋の私は考える」と辻氏は強く訴えます。度重なる試練を乗り越え、一貫して「命」と向き合ってきた辻氏の生きる姿勢が伝わる例会でした。