活動報告

人を生かす経営総合学習会(3月21日)

「労使見解」と「共に育つ」は同友会の一丁目一番地
~社員を信じ、認められることが生きがい

杉浦 昭男 氏  真和建装(株)

「実践すれば結果は必ずついてくる」と杉浦氏

明日の日本を背負(しょ)って立つ

杉浦昭男氏は22歳で創業し、真和建装は昨年で50周年を迎えました。同友会に入会して36年、その学びと実践を、データラインの馬場愼一郎氏が掘り下げました。杉浦氏の報告に馬場氏が切り込み、丁々発止の掛け合いで「人を生かす経営」の具体像に迫りました。

杉浦氏が入会した当時の同友会は、経営者としてのあり様を学ぶ会として名刺は不要という先輩たちがおり、肌が合う会だと思ったそうです。

その後の大きな転機は、同友会大学と、障害のある社員との出会いでした。

同友会大学では、「明日の日本は我々が背負って立つ、夢はリーディング・カンパニー、経営者たるものリスクを恐れるな」との講義に奮い立ち、講師や仲間と切磋琢磨する中、多くの刺激を受けました。そして、新商品を世に出す決意をし、社員から「やりましょう。万一ダメなら、地下足袋を履いて一緒に現場に出てください」と後押しされ、夢を実現させます。

また、障害のある社員と関わる中で、成長しようと思う気持ちはみな同じであり、人は人の中で磨かれながら自分の可能性を開花させていくことに確信を得ました。

時代が変わろうとも変わらないもの

杉浦氏は、同友会が労資紛争の教訓から到達した「人間尊重」という土壌に、芽生えた双葉が「労使見解」と「共に育つ」であり、すべての経営課題の根幹となる一丁目一番地だと説きます。

経営者と社員の間にある賃金という溝の幅を縮めるのは、「労使見解」と「共に育つ」の実践。それは、時代が変わろうとも変わらない普遍的なもので、この実践を貫けば必ず結果はついてくると自社を振り返りました。

真和建装では、リスクの回避か社員の成長かの狭間に立たされた時も、いかに社員のやりがいにつながるかを考え戦略をとってきました。育とうとする心、育てようとする心が相まった時、組織は大きな力を発揮すると実感しています。

最後に、馬場氏から「経営者の成功とは」と問われた杉浦氏は、「りっぱな屋敷や高級車を持つことではない。この会社に入って本当によかったと社員が思えるかどうかにある」と答えました。

そして、今の同友会は、自慢する会になっていないか、運営に走っていないかと警鐘を鳴らし、「自分と自社、そして社員のために学ばなければいけない」と参加者に問いかけました。