活動報告

第18期役員研修大学 第3講座(7月24日)

指針・採用・共育の三位一体

磯村 太郎氏  サン樹脂(株)

自社の経験を話す磯村氏

経営姿勢を問い直す

報告者の磯村太郎氏は、父が経営する会社へ入社した後、社内の高齢化を憂い、仕事確保と採用に注力しました。採用では、求人広告を幾度も出すなど積極的に活動しますが、社員はほとんど定着しません。新社屋建設の際も、採用基準は「若くて根性がある」のみ。同友会へ入会したのもこの頃です。

あるとき、入社した社員が「仕事も給与も環境にも不満はないが、この会社は嫌い」だと1年未満で全員退社し、既存社員からも採用基準や経営姿勢を責められました。これを何とか打破しようと経営指針を作成しますが、今1つ納得できず、机にしまい込んでしまいました。

そんな中、共育講座を通して、社員が会社に求めていることや会社の将来を真剣に考えていること、またそうした声を現す場がなかったことに気付き、指針を作り直します。その際に学んだのは、言行一致と社員を「パートナー」として認めること。まず経営姿勢の確立が欠かせない、ということでした。

基盤は人間尊重の経営

その後、共同求人に参加して、社員の会社への想いに気付いたり、理念を共有したりするようになり、またその理念を学生に語ることで徐々に社員が増えていきました。

今では、共育の観点から、目指す人物像と行動指針を作成しています。仕事を通して「人間が人間らしく生きる」ようにするのが共育であり、これまでの経験から、指針・採用・共育は繋がっており、その土台として人間尊重の経営があると語りました。

最後に共同求人委員長として、継続採用できる企業づくり・大企業偏重の風潮改善・若者が働く場をつくる仕事づくりという、共同求人の意義を訴えました。また、景気の波に左右されない採用計画、中小企業全体の地位向上と、それを後押しする企業づくりが同友会らしさではないか、と締めくくりました。