地域における中小企業の重要性
杉浦 敏夫氏 スギ製菓(株)
積極的な関わり
創業48年目を迎えるスギ製菓は、社員数270名で、えびせんべいを製造販売しています。今年5月の菓子博では、商品「たべりん」が名誉総裁賞を受賞。地域性ある名前と、碧南市の特産“もなか”をお皿にした詰め合わせが評価されました。
報告者の同社社長の杉浦敏夫氏は、地域との関わりは先代社長の時から積極的で、工場周辺のゴミ拾いや、毎月1日には有志で早朝に街頭清掃を行い、それが6年半続いているといいます。また、碧南高校との共同開発商品や地域の催し物にも参加。近隣住民を招いた感謝祭の開催や、そこで受けた要望を通しての設備の改良や交通マナーの向上につなげています。
維持・発展のポイント
同社では東日本大震災後のボランティア活動を機に、BCP(事業継続計画)として宮城県塩釜市に東北工場を建設。災害時の工場体制を整えるとともに、原材料の入手先に近い、東京市場を意識したブランド作りで復興を支援しています。
杉浦氏は、「会社は人の幸せのために存在する。地域に感謝し、お菓子の製造と提供を通じて社員が育ち、私自身も成長して、自社の存在価値を見出すことが我々の使命であり役割」といいます。また、人を大切にすること、時代の変化に順応すること、地域を大切にして地域に根差すことが企業発展の鍵であるとして、「200年企業」を長期ビジョンに掲げています。杉浦氏は、人間性豊かな社員が育つ環境をつくり、地域からあてにされる存在となり、若者から選ばれる会社、わが子を就職させたい会社にしたいと話します。
同友会で学ぶ私たち会員は地域づくりの先頭に立ち、能動的・主体的に考え行動していくことが大切であると改めて思いました。
アクシス 河地 一夫