活動報告

どうゆうき

▼政府は「働き方改革」を進めていますが、それは残業規制を強化するなど、労働環境の整備が主なものです。そこで本質的な「働き方改革」を考えてみると、まず多様性を認めることが入口になります。仕事に合わせた採用から、社員の能力や生活を考慮して適材適所の配置をする視点が求められます。さらに情勢認識を共有し、社員同士の信頼関係を築き、お互いを認め合う風土をつくるのが経営者の責務です

▼次には、生産性を上げ付加価値を高めることです。設備投資や人材育成はもとより、企業の全機能をフルに発揮させ、技術を習得していく時間と労力をかける必要があります。また中小企業は、適正価格での受注が難しく利益が低くなりがちなため、交渉力を身につけ、社員と共に協力して乗り越えることが課題ともいえます

▼企業の社会的な役割、存在意義を明確にすることもポイントです。経営理念を検証し続け、ビジョンには経営数値・福利厚生だけでなく、地域からの期待をいれる。人間尊重経営を追求する同友会ならば、社内でも自社だけではなく、社会全体の豊かさとは何かを広い視点で議論し続ける必要があると思います

▼同友会はこれまで、積極的に労働条件や環境を改善するため、世間より一段高い水準を歩んできました。経営者だけで考えていては、相互に理解し合って協力する新しい労使関係は築けず、社員に自らの働き方、生活のあり方を考えてもらうことが大切です。中小企業こそ「働き方改革」を超えた高みを目指していけるよう、「同友会らしい先見企業づくり」に取り組んでいきましょう。

副代表理事  吉田 幸隆