活動報告

人を生かす経営を学ぶ総合学習会(第3回)11月21日

未来を見越したビジョン

ビジョンを描く大切さを語る水戸谷氏

水戸谷 剛氏  東日本機電開発(株)、岩手同友会副代表理事

経営指針の実践

東日本機電開発は、岩手県盛岡市で制御盤等の機電事業、農業関連の環境事業を営んでおり、経営理念には「社会的共通資本の充実に貢献し、住み良い環境づくりを目指します」と掲げています。「社会的共通資本」とは、経済学者・宇沢弘文氏が提唱した概念で、地域に住むすべての人が豊かな経済的・文化的生活を営み、人間的に魅力のある社会を安定して維持することを可能にする社会的装置という意味があります。

経営指針の実践は25年間続いていて、日頃から、なぜ経営指針が必要なのか言葉1つ1つを正確に伝えることで、価値観や考え方を共有しています。

新たな未来像に向けて

ビジョンを描く際には「岩手の未来と我が社を創造しよう」をテーマに社内で討議。技術動向や地域環境の変化と生活環境条件から未来を創造し、地域の中で何ができるのか、そこに自社がどう関わるのか、社員の意見をキーワードに繋げていきました。

自社の立ち位置から地域社会との関わり方、ありたい姿を描き、戦略・計画を基に課題と問題を区別、それを社員と共有して、具体的な理想像に向かって進むことが重要です。新卒採用も9年続けており、採用した13名全員が活躍しています。

新たな未来像のキーワードは「エネルギーシフト」。2014年に岩手同友会の欧州視察に参加して、自社や地域で何ができるのか模索し、市民エネルギー会社「タミー」を設立しました。エネルギーシフトは、自活・継続できる地域の創造です。地元が潤い、職が増え、故郷の文化を継承しながら生きがいを感じられる人生を送るために、一人ひとりが自らの役割を認識し、未来を創る主体者として関わり合いの中で成長し続けることが大切だと提起しました。