活動報告

ダイヤモンド部会(7月24日)

夢を醸す技術(ちから)

中川 淳氏  中川醸造(株)

たまり醤油の魅力を熱く語る中川氏

内と外に目を向けて

中川醸造の中川淳氏は、情勢や顧客のニーズをとらえた経営で、創業者である父から受け継いだ会社を発展させてきました。現在、ご子息が3代目社長に就任し、伝統的な手法で自社製造した「たまり醤油」と酒類の販売を行っています。ダイヤモンド部会7月例会では、たまり醤油の生産量を年々伸ばしてきたという中川氏から、その経営戦略を報告いただきました。

経営戦略の1つ目は、新工場建設や巨額の設備投資です。中川氏は1ドル360円の時期に渡米し、現地企業で使用されている機械を間近に見て、設備投資の可能性を見出しました。これをきっかけに研究に熱が入り、特許を取得した蒸煮・仕込み・製造工程での開発、機械化によって生産性を大きく高めました。

2つ目は、たまり醤油の歴史・製造方法・特徴を『溜本』として冊子にまとめたことです。たまり醤油に馴染みのない地域から県内に移住する人が増加していることを踏まえ、たまり醤油の特徴や美味しさを知ってもらうことを目的に、中川氏自ら筆を執りました。

想いが強みを生む

合理的な製造方法の追究や情勢・顧客のニーズを反映させた事業展開などの経営戦略を進める原動力は、中川氏の「たまり醤油を広めたい」という想いでした。世界で日本食がますます親しまれるようになった昨今、中川醸造のたまり醤油は国内にとどまらず、海外の日本食店にも進出しています。

「自社製品に対する想いが会社の力になる」と、中川氏は報告を締めくくりました。