活動報告

第19期役員研修大学 第4講座(8月20日)

経営指針と実践

青木 義彦氏  (株)サンテック

「社員の主体性を引き出すと方針が具体化する」

第19期役員研修大学・第4講座の青木義彦氏の報告を紹介します。

経営指針は先達の知恵

中小企業の経営は、法令改正などといった幾度とない経営環境の変化に大きく翻弄されてきました。そんな荒波の中、同友会運動を切り開いてきた先輩たちは、同友会運動や自社経営で得た知恵を「労使見解」や「経営指針による経営実践」にまとめ、今に伝えてくれています。

自社は工作機械の組込みソフトウェアの開発などを行っています。私は社員の定着に悩み、2002年に同友会に入会しました。会での学びの中で、大手企業の下請けから脱却し自立型企業となるためには「経営指針の全社的実践」が重要だと痛感しました。

指針作成当初は、社内に計画を立てる意識がないため、社員にその意義が伝わらず、反対の声が多数ありました。しかし、経営者として意義を伝えながら、社員が主体的に考えるような投げかけをしたり、私自身も作成に携わった「企業変革支援プログラム」を軸にしたり、社内でグループ討論をしたりすることで、社員一人ひとりの意見を言える環境をつくってきました。

「実践」「継続」が大切

2004年からスタートした指針発表会ですが、毎年継続することで、社員数は20名から80名まで増え、次第に社員が定着する会社になってきました。また、社員の主体性を引き出すことで、方針・計画が具体的に描けるようになってきています。

とはいえ、経営指針の実践はまだ道半ばと感じています。なぜなら、経営指針の実践とは良い指針書を作ることではなく、社員一人ひとりが指針を使ってくれることだからです。

社員の頑張りを認め合い、より活かすような仕組みを社内でどうつくっていくのか、社員の夢をどう指針に盛り込んでいくのか、経営者の役割は尽きません。いつか、指針が社員の働きに現れてくるのを待ち遠しく思っています。