活動報告

第20期共育講座 第3講座「人が育つ企業とは」(7月26日)

吉田 昌容始氏  エースベーキング(株)

社員との信頼関係の大切さを語る

第20期社員と学ぶ共育講座(26社、71名が参加)第3講座・吉田昌容始氏の報告を紹介します。

企業風土を変える

弊社は業務用パン類の卸売、飲食店の経営を行っており、関連会社にパンの製造をしているエース・ブレッドがあります。

5年ビジョンを作成した際に、2020年までに今いる社員の半分が定年退職を迎えることがわかりました。その危機感と、10年かけて企業風土を変えていく機会にしたいと考えたことが、新卒採用に取り組むきっかけでした。

しかし、新卒採用で入社した社員の半分以上が、現在会社にはいません。知らぬうちに新卒採用をすること自体が目的になっており、入社後の教育については考えられていなかったのです。「将来、この会社で働いているイメージができない」と言って退職届を出されたこともありました。社員が定着しなかった原因は、自分が社員の人生に責任を持てていなかったことや、会社の教育体制が未熟だったためです。

能力を発揮できる環境づくり

辞めていく社員を見て、新卒採用を諦めようとしたこともありました。しかし、留まることができたのは、社員同士が共に育つ姿を見たからです。

入社1年目ではあまり業績が良くなく、客先からしばしばクレームもあった社員が、2年目に弊社の販売強化月間において3位という営業成績を残しました。周りの社員は驚きましたが、彼を教えていた上司は納得の表情でした。上司は彼の良い面を引き出そうと頑張り、仕事の楽しさを伝えたいという思いで接し続け、次の月間では見事、彼は1位を取りました。自分の存在意義を実感することで仕事にやりがいを感じる、自分の能力を発揮できるような環境が、社員の共育に結び付くと気付かされました。

働きやすさ、働きがいを感じてもらう根底には、社員との信頼関係が必要です。経営指針で会社の目的や将来を示し、共感できる人を採用し、社員の人間性の成長を促す共育を目指す三位一体の経営の実践を進めていきましょう。