生きがい、働きがいを持てる社風
高瀬 喜照氏 (株)高瀬金型
第20期社員と学ぶ共育講座(26社、71名が参加)第5講座・高瀬喜照氏の報告を紹介します。
どのように生きたいか
私は小さい頃から父が機械を動かす姿を見て育ち、ものづくりへの興味から、金型の製造や射出成型で自動車部品や医療関係部品の製造を行う会社を創業しました。
自社では、新入社員に経営理念に込めた思いを話し、どういう生き方をしたいか尋ねていますが、その場で具体的に言える人はいません。
生きがい、働きがいとは、楽しいことだけではありません。私も創業前、他社で修行し、たくさん苦労もしましたが、それ以上にものづくりという仕事の面白さを感じ、人生における考え方の基礎ができました。働いていく中で大切にしたい価値観が作られ、生きがいが次第に明確になっていきます。経営者は社員の人生を預かることを自覚し、生きがい、働きがいを持てる会社づくりをしていかなくてはなりません。
まず目標をつくる
新入社員は仕事を覚えるために一生懸命頑張りますが、次第に悩み始めます。仕事を通じて、お客さんから褒められる、認められることで、自分の存在意義に気づき、仕事に働きがいを感じ、生きがいを持つことができます。
また、経営指針を社員と共に作成することで、社員自身の目標をつくる練習になります。目標がなければ成長を確かめられず、生きがいや働きがいも感じられません。目標を達成するために行動すると、経営理念の理解が進み、自分のためだけでなく誰かのために働くことが社会の役に立つのだと実感でき、働きがいに繋がっていきます。
「生きがいとは何か」や物事について深く考えることは、人間の原点を探求することに繋がります。人はなぜ生きるのか。人間は一人では生きられないから、あてにしあてにされ生きているのだと思います。認め合う、助け合うことを意識しながら、日々の仕事に励んでいただけば幸いです。