活動報告

第20期共育講座 第1講座「人を生かす経営とは」(5月24日)

鈴木 良博氏  オネストン(株)

「社員が楽しく働けることが会社の発展に繋がる」

第20期社員と学ぶ共育講座(26社、71名が参加)第1講座・鈴木良博氏の報告を紹介します。

同友会の目指す人を生かす経営とは

弊社はプレス金型部品の製造及び卸売をしている会社で、国内外に6カ所の拠点があります。先代が創業した会社で、「儲かる」「スピードこそ会社の命」「端楽~はたらく」の3つのモットーがあります。「人(社員)」が楽しく働けることで、結果として会社が発展していくという先代の想いを、今も大切にしています。

同友会では、「中小企業における労使関係の見解(以下、労使見解)」に基づいて人を生かす経営の自社実践を目指しています。この労使見解は、当時の中小企業家が多くの議論を重ね、1975年に発表されました。例えば、社員に対しては単なる労働力ではなく、「もっとも信頼できるパートナーと考え、高い次元での団結をめざし共に育ちあう教育(共に育つ)を重視」して経営に取り組んでいくということです。経営者と社員では立場や役割は違いますが、1人の人間としては対等であり、お互いを認め合うことが、人を生かす経営の出発点になります。

やりがいは経営者がつくる

自社では営業に性別は関係ないと考え、営業職の女性社員を積極的に採用しています。また、工場の現場で活躍している女性社員もいます。

ある女性社員は、同友会の合同企業説明会で出会った時からアメリカで働くことが夢であると語り、入社後、自己研鑽を積み、4年目で赴任することができました。また、産休・育休の取得や結婚に合わせた他拠点への転勤の対応等、長く働き続けられる、本人の希望に沿った働き方ができる体制を整えています。

現在、中小企業にはなかなか人が集まらない苦しい状況です。しかし、単に人を集めるために給料や休日を充実させるのではなく、やりがいのある仕事を経営者がつくり出すことが求められます。

社員一人ひとりがやりがいを感じて仕事に励むことが、お客様の喜びに繋がり、結果として会社が発展します。経営者として、人を生かす経営とは何かを考え、自社実践をしていきましょう。