活動報告

輝く女性雇用の多様性(12月24日)女性経営者の会「愛彩」

働きやすい職場環境づくり

齋藤 真理子氏  (有)ピーシースタイル

オンラインで開催された本例会で報告する齋藤氏

人間不信の中で同友会に入会

女性経営者の会「愛彩」12月例会では、「輝く女性雇用の多様性」をテーマにピーシースタイルの齋藤真理子氏より報告いただきました。

齋藤氏は前代表取締役の急逝により社員の立場から事業承継をすることに。当時の経営状況は厳しく、先代の会社を守りたいという一心からスタートした会社再建でしたが、八方塞がりが続きます。そうした中、先代が所属していた一宮地区の会員仲間である木全裕子氏(アビリティー)が同社をしばしば訪れ、氏との会話を通じて齋藤氏は以前のピーシースタイルが楽しい会社であったことを思い出します。これを契機に経営者とは何かを学ぶため、同友会に入会しました。

当時の齋藤氏は様々な経緯から人間不信に陥っており、雇用に関しても消極的で、社業発展の妨げになっていました。同友会活動においても自社の弱みを知られてなるものかと、地区の仲間から経営課題を問われても、はぐらかすばかりだったといいます。

自分自身を信じる

地区例会担当者となってもそのような姿勢の齋藤氏に、周りの先輩たちは「社長がワクワクしていなければ社員も楽しくないよ」と語りかけます。このことで齋藤氏はアドバイスをする側も学んでいることに気づき、同友会の学びの一端を経験して自分自身を信じてみようと思うようになったそうです。

そして女性スタッフを雇用し、経営指針書の作成に取り掛かります。作った指針書は信頼する先輩会員からアドバイスをもらうなど、情報収集にも積極的になりました。

また、当初は自信がなく、指針書をスタッフに見せることをためらっていましたが、先輩会員から「社員に見せると会社が変わるよ」と言われ、その通りにすると、スタッフたちも会社の方針や計画を知りたがっていたことがわかったといいます。

「社長が私たちのことも考えていてくれて、ありがとう」と返され、思いを伝えることの大切さを実感。この日を境に、指示待ちだったスタッフが主体的に動くようにもなったそうです。そして先代が定めたままだった経営理念・方針は、スタッフと共に考え新しくしました。

自社は「夢の舞台」

スタッフと相談できるようになったことで、齋藤氏は改めて労働環境について考えるようになります。「彼女たちにとって一番大切なのは何か」を本人たちからリサーチし、雇用の形態や業務体系をスタッフの現状に合わせて変えられるようにしました。

限られた時間を活かすための働く仕組みづくりとして、様々なツールや行程管理システムなどで徹底的にIT化。またスキルアップのための費用は全額会社負担にするなどしてモチベーションを高め、社員の主体性や業務の効率も向上させることができました。現在、会社は自分とスタッフの思いが共有されることで夢の舞台になっているとのことです。

最近は、社業と同友会活動は不離一体とばかりにどこへでも参加して学ぶため、「学びマニア」と言われる齋藤氏。ある先輩からは「学ぶだけではなく実践が大切」と言われたと話し、同友会では真摯に相談できる仲間がいると報告をまとめました。

グループ討論では「あなたにとって働きやすい職場環境づくりとは何ですか」をテーマに、各グループで活発に意見が交わされました。

同友会での学びとその実践としての働きやすい職場環境づくりについて、深く学ぶ例会となりました。

美卯  松原 美穂子