活動報告

障害者自立応援委員会「人間性を語る夕べ(7)」1月13日

人間性は、環境と気づきで変化していく

久保田 健太郎氏  (有)クボタ重興業

報告者の久保田健太郎氏

障害者雇用の有無に関わらず、会員の人生観から学び合う「人間性を語る夕べ」。経営の「科学性、社会性、人間性」の「人間性」が最も集約され、話題となり、自らの課題に気づく場として開催しています。

なぜ同友会にいるのか

報告者の久保田健太郎氏は鹿児島県の種子島で7人きょうだいの6番目に次男として生まれました。高校卒業後、愛知県の機械メーカーで7年勤め、故郷に錦を飾ろうと起業します。会社が順調に成長し、初めて社員を雇った時は、自分の言うことを聞かせることが社員教育だと思っていたといいます。

同友会には今から30年前に入会し、最初の10年程はほとんど参加しなかったそうですが、地元に豊田地区が発足したことで参加し始めます。数年後、豊田地区会長に就きますが、学びの浅い久保田氏に会員から苦情や批判が集中しました。久保田氏は、自社を良くするために同友会にいるのだと原点に立ち返り、経営指針講座に参加します。

心からの感動を理念に

講座では、何のために経営するのか、どう社員を巻き込むかを正面から問われ、直視できませんでした。しかし、やり遂げようと決意し、若い経営者に交じり必死で食いついていきました。

ある時、ウイッシュリストを作成することになり、講師に「17年前に亡くなった母に買ってあげたいものがあった」と打ち明けると、「今からでもお母さんのお墓に供えてあげたらよい」と背中を押されました。たまっていた後悔の念を口にすると、胸のつかえが下りていきました。

その話を聞いた講座の仲間たちは、「夢が叶ってよかった」と我がことのように喜んでくれ、久保田氏は自分の鎧が崩れ落ちるのを感じたといいます。以後、講座が楽しくなり、経営理念「ありがとう」が出来上がります。両親、家族、社員、顧客、同友会の仲間たちに伝えたい、心からの感動、感謝の想いを込めました。

その人の存在を認めることが幸せを生む、達成感が次の行動を生む、と確信を持った久保田氏は、「最後まで精一杯人間性を磨いていきたい」と報告を締めくくりました。