活動報告

障害者自立応援委員会(2月14日)

ここから物語が始まる
~障害者雇用の実践報告

城所 真男氏  重機商工(株)

城所 真男氏

現場の不満

報告者の城所真男氏は、同友会に入会して25年。学びを自社に生かす中で残された課題が障害者雇用でした。

3年前、社員から知的障害の息子・A君の就職の相談があり、自社で3日間のインターンシップを行いました。その後、本人が入社を希望し、母親が社内にいる安心感からすんなり採用を決めました。

入社後1年間はベテラン社員がついていましたが、その社員が退職すると、現場から「これ以上対応できない」と不満の声が上がってきました。重機の種類が覚えられない、応用が利かない、機械をぶつける、仕事に時間がかかるA君に、とうとう先輩社員が切れて厳しく叱責し、それに恐れをなしたA君は、しばらく出勤できなくなりました。

城所氏はすぐにA君親子と面談し、現在、A君は城所氏の目の届く部署でデータの入力作業をしています。A君の成長を願い接する毎日ですが、城所氏はどうしたものかと悩んでいました。

見えてきた課題

城所氏の率直な報告に対し、討論では、A君の成長を認めること、拙速に求めすぎないことが重要だと話し合いました。

A君は、定時に出社し、言われた仕事をやり終え、毎日の業務報告と読書感想文を欠かさず提出します。まず、A君ができていることに目を向け、A君を支える教育力が社内にあると認めることからスタートです。

また、一人ひとりの成長レベルは違うので、拙速にA君に求めすぎないことも大切です。城所氏の求める「普通」レベルは、A君にとっては、はるか彼方にあるかもしれません。漠然とした「普通」ではなく、「1年後には洗車ができる」といった具体的な目標を立て、社員と共有するという課題が見えてきました。

A君が仕事中にトイレに籠る問題も、健常者である新入社員で同じ経験をした会員から、「成長目標を具体的にすることで解決した」という発言もありました。

今回は、城所氏の率直な悩みをもとに、相互の経営体験から学び合う同友会らしい委員会となりました。