平和と中小企業
浅海 正義氏(みらい経営研究所/創立会員)
思考停止の戦時下
戦後70年を迎え、国でも地域でも平和をめぐる議論が繰り広げられています。愛知同友会でも、第4回理事会にて論議が行われ、3つの目的にもある「日本経済の自主的・平和的な繁栄」のために、中小企業と平和に関する学習と議論を進めていくことが確認されました。
これを受け、理事、政策関連委員会メンバーを対象に、創立会員の浅海正義氏(みらい経営研究所)を報告者に迎え、中小企業と平和を考える学習会を開催しました。
浅海氏は、昨今の社会状況、自身の生い立ちにも触れつつ、平和に関する私見を報告。とりわけ、第2次世界大戦の自身の体験から、戦時下は人間の思考が停止し、到底考えられない残虐な行為を行えてしまうこと。また自分の考えを発言することすら許されないほど、国民の自由は蔑ろにされた経験を強調しました。
「誤解」から「理解」そして「納得」へ
最近は戦争前夜の臭いがするという意見も聞かれること。その上で、人間は異なる考えや思想を持つことを前提としながらも、それゆえに避けられない「誤解」を、慎重な論議を通して「理解」し、互いの違いを認識することで「納得」していくことの大切さが指摘されました。
参加者からは、「武力行使せずとも平和を守る方法はあるのではないか」「中小企業の経営環境を改善するには、政治は切っても切れないもの。平和をめぐる問題も、自社の経営環境に関わる課題として議論する必要があると感じた」といった自社や社員、地域と平和の問題を率直に議論できた学習会でした。