活動報告

どうゆうき

▼中同協総会が名古屋で開催され、私は第3分科会で「平和を考える連続学習会」の取り組みを報告しました。この学習会は、なぜ同友会は平和問題を考えるかを「戦時経済」「中小企業運動」「企業経営」「日本国憲法」から解き明かし、同友会理念にある「日本経済の自主的・平和的な繁栄」を考え、平和観を醸成する場となりました

▼戦時下では、国民や中小企業など弱いものが犠牲になります。軍需分野に全産業が向かうため、中小企業は転業・廃業が強要されました。「中小企業は平和でこそ発展する」という先人の言葉は、塗炭の苦しみの中から絞り出されたものです

▼昨年、鹿児島で開催された全研で知覧特攻隊の現場の見学会がありました。遺書として書かれ、軍の検閲を逃れた手紙には、親や兄弟への感謝や平和を願う気持ちが綺麗な文字で綴られていました。「民主主義を踏みにじる時、危険な運命に国民をさらすのは歴史が証明している」とは、戦火をくぐり抜けた経営者の実体験です。学徒出陣した戻らぬ若者たちは、今の日本を見て何を思うのか。平和は意識し続けなければ失われます

▼自分と違う意見は聞かないとなると、争いが起こります。しかし、戦わずに解決するのが大人の仕事です。私たちは人間尊重の経営を学んでいますが、その言葉の響きに酔いしれず、本質を追求したいものです。違いを認め、相手を理解する。社会の動きに関心を持ち、おかしいことには声を上げる。思考停止に陥らず、自分の頭で考える。なによりも、戦争を子や孫に体験させぬよう、平和を守っていく必要があります。

副代表理事  豊田 弘