活動報告

どうゆうき

▼10月22日に行われた第48回衆議院議員選挙の結果は、皆さんの知る通り与党の圧勝に終わりました。今回の選挙では、野党政党の離合集散、大掛かりな新党立ち上げ等で、本来議論されなければならない政策論議がなされず終わってしまったという印象が拭えません。振り返って「国難突破解散」と銘打たれた今回の選挙ならば、その「国難」を克服できる国の将来像こそ、正面から議論されるべきでした。その意味で、経済の根底を支え、国民の暮らしを守る中小企業について、政策議論が十分になされたのか疑問です

▼経済のグローバル化が進行し、大手企業の好調さが中小企業に直接恩恵をもたらす時代は過ぎ去り、これまでの経済成長戦略は、日本経済再生の有効な処方箋とはなり得ません。その意味で、地域経済の根幹をなす中小企業が、自助努力を前提とし自立した存在へと飛躍する、それを強力に後押しすることなしに、日本経済に新たな展望を描くことはできません。各地域の特色を活かし、個性ある取り組みを推進する、こんな国民経済のための「新たな」経済ビジョンが求められています

▼これらの土壌は、健全な中小企業が活躍する平和で民主的な社会と、すべての人が人間らしく豊かに暮らせる環境です。そしてこの前提が、国のありようを定める「憲法」の改正問題です。新政権には、また各政党の皆さんには国民一人ひとりの尊厳を守り、自主的・平和的な経済と社会を築く観点から、全国民的議論を慎重に重ねること、そして国民の声に真摯に向き合った熟慮と冷静な判断を期待しています。

専務理事  内輪 博之