活動報告

ダイヤモンド部会「ネット時代をどう生き抜くか」(7月31日)

西山 譲氏  (株)富士ツーリスト

企業活動と平和について語る西山氏(奥左)

人間味あふれる旅は“人”がつくる

7月のダイヤモンド部会では国内・海外旅行の企画、手配を行う富士ツーリストの西山譲氏に、変化する外部環境への対応と旅行業の可能性について報告いただきました。

スマートフォンが登場し、宿泊、交通、コンサートチケットまで自己手配が可能になり、旅行会社の存在意義が問われる時代になりました。その中で西山氏は、スマホだけでは対応しきれない、人を介すことで生まれる旅行を提供していきたいといいます。

例えば、社会福祉や保育・幼児教育を現地の方から学ぶ北欧旅行や、映画関係者との懇談や関連博物館への見学ができる旅、隠れキリシタンの歴史に触れる五島列島の旅を企画しています。

どの旅にも共通しているのが「テーマがある」こと。そのテーマを深められる旅にするためには、それに精通する専門家とのつながりが非常に重要です。西山氏は、これまで培ってきた人と人とのつながりを大切にしながら、そのつながりが生む人間味が感じられる旅を創りたいと熱く語りました。

平和だからできる、平和につながる旅

旅が成り立つには平和が必要で、平和が成り立つには対話が必要であると西山氏はいいます。9・11のテロ事件発生時や、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した時、旅行者数は激減しました。一方で、対話の中で歴史・異文化に触れる体験が、政治的な争いが報道される中でも市民が「何が事実か」を考えたり、異国の社会の在り方を知る中で「本当に日本はこれでいいのか」を考えたりするきっかけになります。

西山氏は、旅行者の心と体がリフレッシュできることはもちろん、それに加えて「対話」ができる旅を提供することで社会・平和に貢献していきたいと報告を締めくくりました。