活動報告

地域と中小企業「“地いき”の工場の見学」(9月8日)

小学校の校外実習を受け入れ

田中 誠 (有)進工舎

切断した丸棒を六角に加工する工程

母校からの打診を受け

名古屋市千種区の閑静な住宅街にある自社は、創業から83年、祖父の代から続く町工場で、変圧器のねじなど小さな部品を1500種扱う社員12名の会社です。

近隣の市立千石小学校では毎年、大企業の工場見学を行っていますが、今年は新型コロナウイルス感染防止を理由に断られたそうで、わが社の社員の恩師が同校に勤めていた縁で、進工舎に3年生の工場見学の打診がありました。

私も専務である息子の田中翔も同校の出身で、「実際のものづくりに触れ、感動し、興味を持ってもらえる見学会にしよう」と快諾、社員も大賛成で全社で取り組むことにしました。

細長い工場内には大小の機械がズラリと並んでいます。ソーシャルディスタンスを取りながら、40人の児童がスムーズに移動できる動線を決め、子どもたちの目線で危険がないか工場内を点検し、誰がどの仕事を、どう説明すればわかりやすいかを相談しました。

打てば響く子どもたち

当日は「ねじができるまで」の行程を4つに分け、社員がそれぞれの位置にスタンバイ。児童は10人ずつのグループに分かれて工程ごとに説明を受け、素材を触り、機械を動かします。「ねじ」という身近な部品に皆、興味津々。切断、穴あけ、溝掘り、バリ取り、ねじ付け、最後のメッキ処理までを全員が体験しました。

偶然、材料の納品車が到着すると、あっという間に児童が取り囲み、素材の金属がどこから運ばれてくるかと熱心なインタビューが始まりました。見学後の質問タイムでも臆することなく質問が寄せられ、私が答えると、すぐさま次の手が上がるというやりとりが続きました。

後日、見学に同行した教頭先生から「予想以上に児童の反応が良くて、驚いた。教師たちにも新たな感動が生まれた」とお聞きしました。授業で「職人さんや材料を運ぶ人などがいて変圧器ができる。いろいろな人の仕事に支えられ、毎日の暮らしが成り立っている」と話すと、クラスで一番横着な児童が立ち上がり、「俺たち、甘えてんじゃね?!」と皆に問いかけたそうです。

中小企業のものづくりが子どもたちの人間的成長のお役に立てたなら、光栄に思います。自社にとっても教えるという体験が社員の成長につながり、仕事への誇りを再確認できる機会となりました。

【文責:事務局 岩附】