先行き期待高まるも、足踏み続く景気
愛知同友会が四半期ごとに行っている景況調査では、「サービス業」は大幅改善、「製造」「建設」は悪化が継続していると分析しています。このような、中小企業を巡る最新の景気動向をお伝えします。
業種別の状況はまだら模様に
「業況判断DI」の「今月の状況」は、前回22から24へ2ポイント「良い」超過幅が拡大しましたが、「良い」と回答した企業割合に変化はありませんでした。また、業種別の状況もまだら模様です。
建設業は29から26へ3ポイント、製造業が9から3へ6ポイント、それぞれ「良い」超過幅が縮小しました。いずれも2期連続の低下です。これに対してサービス業は、30から37へ7ポイント「良い」超過幅が拡大。流通業は15から16への1ポイント上昇で、ほぼ横ばいで推移しています。
コスト高に一服感
DI値の上昇幅に違いはありながらも、すべての業種が業況の改善を見込んでいます。先行き期待の高まりの背後には、この間最大の経営圧迫要因となってきたコスト高に一服感が出てきたことが要因であると予測できます。
文書回答では、国内外の政策の影響が今後の景気状況に作用するとの発言が寄せられています。中小企業経営者には当分の間景気状況を見極めながらの慎重な舵取りが求められます。
[5月末景況調査要項]
(1)調査期間 5月22日~5月31日
(2)回答企業 1432社(建設業:247社、製造業:273社、流通業:347社、サービス業:565社)