企業は経営者の器より成長せず

自社の本質的課題を捉える
中部経済新聞の新春座談会は2003年より継続開催している企画で、行政・他団体の方々を招請し、大局的な見地から発言していただき、幅広い見識を集めるものです。今年は愛知県顧問の森岡仙太氏と、愛知同友会相談役理事の加藤明彦氏、副代表理事の松村祐輔氏と岩山佳代氏で「経営者の器以上に企業は成長しない」をテーマに人材育成について語り合いました。
冒頭、森岡氏から、2016年に始まった「あいち経営者人材育成塾」の狙いが語られました。企業の成長は経営者次第であり真に必要なのは意識改革と人材育成であること。現場を見ない経営から脱却し、自社の本質的課題を捉える姿勢が不可欠だと強調しました。
経営者の責任と覚悟
加藤氏は、同友会での学びによって自身の人生が大きく変わった経験を踏まえ、経営者の責任と覚悟の重要性を語りました。業績を社員や社会環境のせいにせず、すべてを自らの責任として引き受ける姿勢が求められること。また、改善を積み重ねて成果と達成感を共有し、全社一丸となる風土を醸成することが経営者の役割であると強調。こうした実践の根底には、同友会理念があり、理念を行動に移すことが人と企業の成長につながると述べました。
実践者として、松村氏は、創業した自社と父の会社の後継という二重の立場で経営に悩む中、先輩経営者から経営指針づくりを勧められ、数多くの経営体験に触れたことが転機となりました。そして経営指針・採用・共育を三位一体で進め、企業内大学を設けて人材育成に注力してきた歩みを紹介。学ぶ環境を整えることが経営者の役割であり、人の成長が事業の成長につながっていると語りました。
人を生かす経営
岩山氏は、同友会との出会いを通じて自身と会社が大きく変わったといいます。家業を継いだ当初は危機感が乏しく、学びと行動を重ねる中で経営者としての覚悟が定まりました。経営指針の実践により視点が変わり、社員の意識にも変化が生まれています。どんな過去を持つ人でも成長でき、人生を立て直せる環境をつくることが自身の経営の軸であり、誰もが存在価値を認められる企業づくりに挑戦し続けたいと述べました。
人口減少時代において、経営の中心は「人」であること。人を生かし、改善を通じて成長を引き出す経営者こそが、これからの企業を支える存在であることが、浮き彫りとなりました。









