調査・研究・提言

2000年度インターンシップ
学生50名(3大学)、受入企業29社

中小企業だからこそ自分の仕事がみえた
28社と事務局で50名が研修

8月28日から9月8日までの2週間、日本福祉大学経済学部(36名)、金城学院大学現代文化学部(11名)、名城大学経済学部・経営学部(3名)、合計50名の学生が会員企業28社と事務局でインターンシップ研修を受けました。インターンシップとは、97年9月、文部、通産、労働の三省が共同でまとめた定義によると「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリア(職業)に関連した就業体験を行う」ことであり、愛知同友会では98年から研修生を受け入れ、今年で3年目を迎えます。

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事前に学内でのマナー研修も

日本福祉大学と金城学院大学は単位取得、名城大学は本年の学部再編により来年から単位取得などして、正規の授業として編成されており、事前に挨拶の仕方や電話のかけ方などビジネスマナー研修も学内で行われています。研修の第1日目と最終日は集合研修が行われ、第1日目は鋤柄代表理事が「中小企業で働くことの意味」と題して約1時間の講演を行い、学生たちは「インターンシップで何を学ぶか」をグループ討論で互いに確認しました。最終日の9月8日には「インターンシップで何を学んだか」と題して研修を受けた学生全員が発言、参加された名城大学経済学部の東助教授は「大変レベルの高いインターンシップ。来年から名城大学も正規授業化しますので、またお世話になります」とあいさつで述べられました。

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インターンシップで私が学んだこと【感想レポートから一部紹介】

(株)ホニック-名城大学留学生Wさん

「寄らば大樹の陰」という考え方の影響で、今までの大手会社はものすごく憧れられてきたと思います。しかし不況の今日、大手会社は経営不振となり、大事件を続出させています。日本の経済発展を支えてきたのが中小企業であることが今明らかになってきている、このことを2週間の間で実感できました。

(株)タイデックス-金城学院大学Kさん

私がタイデックスにインターンシップで学んだ事がいろいろありました。最初に学んだ事は、社員の皆さんがそれぞれ責任と情熱を持って仕事に打ち込んでいるということです。そのことを研修初日(8月29日)の講義で始めに教えられました。そして、研修中でもそれがはっきりとあらわれていました。たくさんの、それも難しい仕事であってもに最後まで責任を持ち、情熱を傾ける社員の皆さんの姿勢に頭が下がりました。

(株)鳥越樹脂工業-日本福祉大学Fさん

私は大学での講義だけではわからない、生の現場の様子を知りたいという理由でインターンシップに参加しました。この2週間、多くのことを学びました。最初の2、3日は、なれない場所にとまどい、緊張していました。緊張がほぐれてきて、いろいろな人と話す機会がもて、いろいろな話を聞かせていただきました。また、年齢が近いせいか新入社員の方々には、仲良くしていただきありがたく思っています。

日本街路灯製造(株)-日本福祉大学Yさん

実際に参加してみて特に感じたことは、社員の一人一人が、際立っているということでした。これはインターンシップ・キックオフセミナーでの講義で言われたように、「中小企業では活きたボールが飛んでくる」ということからだと思います。全体的にはチームプレイですが、基本となっているのは各自のしっかりとしたプレイであり、決して他人まかせではないということがわかりました。

名古屋法律事務所-日本福祉大学Kさん

本研修に臨むにあたって2つの目的がありました。1つは私が車椅子に乗っているためにできることとできないことがあり、自分が本当に働けるのかどうか見極めることであり、もう1つは会計の仕事が自分に適しているのかどうかです。前者に関しては環境が素晴らしく、施設面としてはエレベーターがあり、段差もなく、完璧とは言えないまでも問題はありませんでした。しかしそれ以上に名古屋法律の皆さんがとても協力的なのが、一番のポイントでした。いくら施設が最高であっても、受け手にその気がなければ、障害者が働くことは難しいと思います。その点で皆さんのお心遣いに頭が下がりっぱなしでした。