調査・研究・提言

2002年度インターンシップ
学生56名(8大学)、受入企業33社

今年は8大学56名が33社で研修

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今年で5年目を迎える同友会のインターンシップが、8月26日から9月6日までの2週間、開催されました。回を重ねるごとに参加大学数が増え、昨年までの日本福祉大学、金城学院大学、名城大学、大同工業大学に加えて今年は,愛知学泉大学、名古屋工業大学、愛知学院大学、名古屋産業大学の4校が増えました。結果8大学から56名の学生が、32社の会員企業と事務局で研修を受けることになりました。同友会では従来、インターンシップについて「求人活動を目的とせず、共育活動の一環として協力する」「新入社員でもアルバイトでもない研修生」という考え方を基本としてきました。しかし最近は、大学側も学生も「就職活動に活かしたい」という要望が強くなり、就職活動に活かせるプログラムも考えました。初日、8月26日のキックオフセミナーでは、松山大学在学中にインターンシップ活動を主催した経験を持つ田中祥隆氏(本年4月より名古屋に就職)に話していただきました。田中氏は「インターンシップの取り組みは私の人生にとって何だったのか」のテーマで報告されました。その後のグループ討論では、研修生は「企業研修を通じて学びたい事」「どんな企業に就職したいか」について、話し合いました。最終日(9月6日)のまとめ会議では、研修先企業20社の協力で「模擬企業説明会」が企画され、来年に迫っている就職活動の中で、具体的に何が大切なのかを実践的に体験しました。今回のインターンシップの経験が、今後の学生生活・就職活動に役立つことを期待しています。

物をつくる喜びを感じた

名城大学Oさん研修先アイギ工業(株)(自動車部品製造)

「機械は電源さえ入れれば同じ物を正確に、多品種大量生産を可能にする」。これは実習を受ける前の自分が想像していた物づくりのイメージでしたが、その考えは初日から覆されました。実習では毎日異なる部署の方からお話を伺い、作業を体験させていただきました。図面の見方から工程管理、見積書の作成、トヨタシステムならではの「かんばん」を使った処理作業、機械操作、仕上がり部品の袋詰め、検品作業と,物ができるまでを体験することができました。旋盤などの機械操作は危険と隣り合わせのため細かい注意も受けましたが、その後、手を貸してもらいながらも回転式ペン立てを完成した時には、物をつくる喜びを感じることができました。アイギ工業では、ブレーキやABSのような保安部品を中心に製造を行っており、わずかな傷や切子の屑などにも細心の注意を払わなければなりません。完成した部品を器具観測していくと、驚くことに1つ1つの物が少なくとも0.01ミリ、0.001ミリの単位で異なっていることに気付きます。同じ部品を素早く、安定して顧客に供給する能力が求められていることを肌で感じ学ぶことができました。また、ISO9002の定期検査日に立ち会う機会に恵まれ、企業が品質システムを土台に目標を掲げそれを意欲的に取り組んだ様を、つぶさに見せていただきました。様々な体験をさせて頂き、実り多いインターンシップとなりました。

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建設業は魅力的な仕事

金城学院大学Oさん研修先シンセイ建設(株)(建設業)

シンセイ建設は、注文住宅とリフォームを行っている会社で、まずキッチン研修を受けました。キッチン研修とはある空間を最大限に利用していかにキッチンを配置するかというものでしたが、私にはまだ手も足も出ませんでした。また、内装工事の壁・天井・床のクロス選びをしました。色々想像して提案するのは楽しかったですが、小さなサンプルから壁全体に広がったものを想像することは、思っていたよりも難しかったです。チラシの作成やポスティングという作業も行いました。こういった作業も社員の方が行っているのには驚きました。地域密着型でお客様を得るためには、地道な作業が必要になってくることが、より分かりました。何日か経過してきた頃、契約や打ち合せの場面に同席させていただきました。お客様の大切な財産を工事をしているのだから、契約するまでには何度も打合せを重ねて、お互いの信頼関係を結んでいくことが大切だと感じました。自分で何をやるのか判断し、様々な仕事をこなしていかなければならないため大変だと思う反面、作業にメリハリがつくし、色々な仕事ができるので、やりがいがあると感じました。皆さんとても熱心に仕事に取り組む姿勢が印象的で、業務内容を知り、触れることもでき、建設業という仕事がとても魅力的なものだと感じました。

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1人1人が仕事に自覚を

日本福祉大学Uさん研修先(株)鳥越樹脂工業(プラスチック成型)

今回のインターシップで、私は2つの目標を立てていました。1つ目は、どのような職業につきたいのかを見つけ出すこと。2つ目は、与えられたことだけでなく、自分で考えて行動することです。会社では与えられたことだけではなく、相手にしっかりとした提案もできなければなりません。そのためにはしっかりと相手の話を聞き、自らの考えを持ち、たくさんの知識を得なければならないということをこのインターンシップで学びました。最初の1週間、色々な成形工程を体験させていただき、すべての成形においての土台である型が、成形には最も大事だということを実感しました。物事にはしっかりとした順序があり、その過程をしっかりしないと、結果が伴っていかないことがわかりました。製品ができる過程についても実際の製品を使って、皆さんに丁寧に説明をしていただきました。その上で実際の作業を見学させてもらい、わからないことがあると、その場で何度も説明をしていただきました。大企業と違い、中小企業では社員全員が1人1人やらなければいけないことがはっきりとしている為、とても仕事にやりがいがあると思います。これからは本当に自分のしたいことを見つけ、それに向かって進んでいきたいと思います。

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