後藤登(株)中川機械製作所(金融アセスメントプロジェクト)
参議院での竹中大臣の答弁より
●櫻井議員
「今回、金融アセスの趣旨が盛り込まれましたが(中略)100万人の署名を集めてくださった中小企業の方々がいらっしゃいます。その方々が地方議会に働きかけて600幾つの、意見書を採択してくれたと。こういう活動というのは、実際大きく影響しているんでしょうか」
●竹中大臣
「これは正に国民の皆さんの声、それを代表しているこの政治の場の皆様方、国会議員の皆様方の声が、我々なりにこれは非常に大きいものであるということを実感した上で今回の問題に取り組みさせていただいたつもりでございます。
皆様の御努力、それとさらには、超党派で更にそういった問題意識を発展させた、我々も敬意を表しておりますし、しっかりとそういうものを受けて対応をしていきたいというふうに思っております」以上は今年4月17日の参議院・財政金融委員会で、『リレーションシップバンク』に関連し、櫻井充議員と竹中平蔵大臣(金融担当)のやりとりです。
愛知同友会が牽引車となって
さらに、今年7月11日参議院・予算委員会では、『金融検査マニュアル』について竹中大臣が、「中小企業の別冊マニュアルがありますけれども、それについては実態に合わせて書き換えるということも検討しております(以下略)」と答弁しています。私たち愛知同友会が先頭に立って集めてきた13万の「金融アセス法制定を求める署名」(全国101万)や、愛知県・名古屋市をはじめ県下39議会での意見書採択(全国22都道府県・657議会)をはじめとした運動の結果、こうした形で具体的に政策に取り入れたことを、竹中大臣自身が国会で答弁しているのです。これまで「不良債権処理」一辺倒で地域や中小企業へ破壊的な影響を与えてきた政府の金融行政が、『セーフティーネット融資』や『リレーションシップ・バンキング』(人間的関係重視の銀行業務運営・由里中京大学助教授)など、中小企業を視野に入れた施策を始めたのです。さらに『リレーションシップ・バンキング』に関した動きとして、地域金融機関へのアンケート調査を実施、今年8末までに、「機能強化計画」を提出させると言っているのです。
歴史的な一歩を踏み出した運動
このことは官僚による「裁量」ではなく、国民の側からの声によって政策が行われていくという、日本の政治で初めての出来事であると言っても過言ではないのです。こうした歴史的な第一歩を踏み出した私たちは、責任を持って金融行政を見守っていくことも私たちの責任だと言えるでしょう。単に地域や中小企業にとどまらず、まさしく国民経済の重要な担い手としての責任でもあるのです。
「金融アセスメント法」
「金融アセスメント法」とは、個々の金融機関の営業実態を「地域への円滑な資金供給」や「利用者利便」の観点から公的機関が評価・情報公開をし、より望ましい形で金融取引を行っている金融機関を高く評価することによって、円滑な金融や問題のある金融慣行の是正、より望ましい取引ルールの確立を促そうという法律です。具体的には、(1)金融機関の公共性を維持し徹底させる、(2)金融機関と借り手の取引慣行の歪みを是正する、(3)現行の裁量型金融行政を利用者参加型金融行政に転換させるという3つの柱にまとめられます。
以下参照。http://www.doyu.jp/finance/