調査・研究・提言

各政党・政治団体への愛知同友会からの質問状に対する回答(2019年4月統一地方選挙)

愛知同友会の加藤明彦会長名で2019年4月7日執行予定の愛知県議会議員一般選挙に際し、2019年3月1日(金)に行われた立候補予定者説明会参加者の所属政党、ならびに政治団体に対して公開質問状を提出し、以下の回答をいただきました。

  1. 明らかな誤植については、修正の上掲載しています。
  2. 質問については各400字以内でお願いしました。到着順に上段より掲載しています。
  3. 愛知維新の会、減税日本、岡崎ひまわりの党からは、残念ながら期限までに回答を頂くことはできませんでした。ご了承ください。

質問趣旨

2012年12月から始まった現在の景気回復局面は、「いざなぎ景気」を超え、戦後二番目の長さとなっていると言われます。しかし、愛知県経済を支える中小企業の現場では、原材料価格の上昇、人材難、最低賃金の上昇とそれに伴う価格転嫁の困難さ、さらには単価の引き上げなしに求められる働き方改革と生産性向上のなかで、直面する困難さは増大する一方です。全国的に地域経済の多くが危機的状況に立たされているなか、愛知県においても足下をつぶさに見れば例外ではないことは明らかです。このような中で、地域の雇用を守り安定させ、疲弊する地域経済を再生させるためには、事業所数の99%、雇用の70%を占める地域の中小企業の活性化以外に打つ手はないと考えています。

当会では日本経済における中小企業の役割を正当に評価し、豊かな国づくりに向けた諸政策の柱に中小企業を位置付けることを謳った「中小企業憲章」の制定を政府に提案し、2010年6月18日に「中小企業憲章」閣議決定されました。また、中小企業憲章とともに各自治体で取組を進めてきた中小企業振興基本条例は、45道府県で施行され、中小企業に基軸を置いた政策展開が進められようとしています。愛知県においても2012年に「愛知県中小企業振興基本条例」が施行され、今後は経済・社会政策全般にこの精神を生かすことが求められていると考えています。

当会ではこの間直面している社会の閉そく感打開には、中小企業憲章ならびに中小企業振興基本条例の理念のもと、諸政策において具体的方向が打ち出され、実行されることによってこそ、豊かな国づくり、地域づくりに向けた展望が拓かれるものと考えています。つきましては、以上の趣旨を踏まえ、貴党に対しまして以下のご質問をさせていただきます。ご回答をいただけますよう、お願い申し上げます。

質問事項と事項別回答PDF

質問事項タイトルをクリックすると、その質問への各党の回答(PDF)が表示されます。

(1)「愛知県中小企業振興基本条例」を具体化する方策をお聞かせ下さい。

2012年10月、愛知県中小企業振興基本条例が全会一致で可決され、6年が経過しました。この条例では中小企業を「経営者と従業員の創意工夫によって、新たな事業や商品、サービスを生み出すとともに、地域における新たな雇用を創出するなど、地域経済の活力の維持向上の源となる存在」と位置づけています。こうした主旨をより実効性あるものにしていくためには、中小企業個々の経営努力のみならず、条例の理念に基づく具体策が必要と考えています。貴党のお考えをお聞かせください。

(2)中小企業の事業所数減少に歯止めをかけ、正規雇用の拡大で地域経済の安定を実現するための具体的方策をお聞かせ下さい。

この間倒産件数は減少傾向にありましたが、2016年を底に緩やかな増加傾向に転じています。なかで2018年上半期では、個人事業者の倒産が拡大し、統計上初めて倒産件数の4割を占めるに到りました。また、「あいち事業承継ネットワーク」など事業承継に向けた取組も始まっていますが、目に見えた成果はまだ見られていません。こうした状況が進めば、愛知県内の中小企業・小規模事業者の減少が一層進むことは避けられません。そして事業所数の減少は、県民の雇用の喪失と同義でもあります。

愛知県内の非正規労働者は増大の一途にあり、愛知県でも4割に迫る勢いです。こうしたなか、安定した正規雇用の職を得、将来に安心を持った展望を描けている労働者は減少傾向にあります。

こうした状況を改善し、地域経済・社会の安定を実現するには、事業所数の減少基調に歯止めをかけ、雇用、とりわけ正規雇用の拡大が喫緊の課題と考えます。こうした見地に立ち、中小企業の事業所数減少と、正規雇用拡大への具体的方策について貴党のお考えをお聞かせ下さい。

(3)消費税引き上げに関して、愛知県内中小企業への支援策についてお聞かせ下さい。

2019年10月に消費税の引き上げが予定されています。中小企業にとって消費税の引き上げは、価格転嫁や賃金の見直し、あるいは仕入価格の一層の上昇をともなうもので、経営上極めて影響の大きなものです。さらに今回は軽減税率、インボイス制度の導入も予定され、中小企業への負担は一層大きいと想定します。消費税の引き上げに関する、愛知県内中小企業への支援策について貴党のお考えをお聞かせ下さい。

(4)貴党の考える中小企業に対する重点政策についてお聞かせ下さい。

ここまでお聞きしたことに囚われず、貴党のお考えになる中小企業に対する重点政策について、自由にお聞かせ下さい。

回答一覧PDF

全質問・全回答の一覧(PDF)です。