景況調査

第98号-2018年5月
景気のピークアウト感広がる
~広い視野をもって経営環境の変化をとらえる姿勢がもとめられる~

<会員の声>

DI値推移一覧表(PDF:600KB)


【概況】

「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた「業況判断」の「今月の状況DI」は、前回の29から26へ3ポイント下落しました。業種別では、建設業は前回の40から31へ、製造業では28から23へ、流通業は24から19へと軒並み下落し、27から32へと上昇したサービス業以外のすべての業種で「良い」超過幅が縮小しました。「前年同期比DI」も13から11へと下落となり、景気の減速感が強まりつつあることを示す結果となりました。

「次期見通しDI」も35から32へ3ポイント下落しました。この背景には、前回調査時にみられた次期への改善期待が今回調査時点で裏切られたために、景気の先行きに対する見方がシビアになってきたこと、また寄せられた「文書回答」ならびに数値からも確認できるように、仕入価格が上昇し(「仕入れ価格変動DI」前回30→今回36へ「上昇」超過幅が6ポイント拡大)、そのことがいよいよ利益を圧迫しはじめたこと(「経常利益DI」前回25→今回23へ「黒字」超過幅が2ポイント縮小)などがあると考えられます。

総じていえば、業況は依然として高水準を維持しているものの減速感が広がり、景気の先行きに懸念が生じてきている――というのが現状のようです。

景況分析会議の席上でも、現状の忙しさを裏付ける声は共通しつつも、業種ごとに様々な懸念材料が指摘されました。とりわけ建設業では、首都圏の分譲マンション建設に急ブレーキがかかったことなどを根拠に、「中京圏の需要もそろそろピークアウトするのでは」と先行きを不安視する声が聞かれました。

製造業からは、依然として半導体製造装置などの工作機械関連を中心に好調さを指摘する声が強かったものの、「部品の供給が滞り、生産をスローダウンさせざるをえない」との指摘が多くありました。建設関係とは異なり、「供給ネック」による「ピークアウト感」の広がりです。

工作機械関係の好調さの背後には、自国経済のハイテク化を国家政策として推し進めている中国からの「機械の爆買い」があります。ということは、それがやがて「生産力化」すれば、半導体市場がかく乱される恐れがあるということでもあります。

また、米国を発火点とする「貿易戦争」が各国相互の報復的な輸入規制を生んで、世界貿易を委縮させる可能性もあります。なかでも、アメリカが進めようとしている自動車関税の引き上げは、日本とりわけ愛知の経済を直撃しかねません。EVやAIなど急進する技術革新の影響も含めて、中小企業経営者は情報収集を欠かさず、より広い視野を持って自社を取り巻く環境の変化をとらえるよう努力することが必要です。

[調査要項]

調査日 2018年5月21日~5月30日
対象企業 愛知中小企業家同友会
調査方法 会員専用サイト「あいどる」
回答企業 会員企業より1443社の回答を得た。業種内訳は以下
(建設業255社、製造業301社、流通業389社、サービス業498社)
平均従業員 22.6名(中央値7名)

なお、本報告は愛知中小企業家同友会・経営環境調査委員会(委員長、太田厚・(株)太田電工社社長)が実施した調査結果をもとに、景況分析会議での検討を経てなされたものです。

【業況判断】 「今月の状況」2期連続の後退。サービス業のみ改善

「今月の状況」DIは前回の29から26と3ポイント悪化した。この傾向はサービス業以外の全業種に渡った。業種別でみると、製造業が28から23と5ポイント悪化したほか、流通業も24から19と5ポイント悪化した。なかでも建設業では40から31と9ポイント業況感が悪いと判断された。一方、サービス業は27から32と5ポイント改善傾向を示した。

前年同月比は、2016年5月期調査より緩やかに改善してきたが、前回の13から11とやや悪化した。業種別でみると、建設業が17から12と5ポイント、製造業が11から8と3ポイント、流通業が9から4と5ポイント、いずれも悪化した。サービス業のみ15から17とやや改善した。3ヶ月後の次期見通しは前回の35から32と3ポイント悪化した。建設業が42から35と7ポイント、流通業が29から25と4ポイント、サービス業が40から37と3ポイント後退したが、製造業は30から29とほぼ横ばいだった。

業況推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

【売上高】・【経常利益】
製造業は売上高が減少
「今月の状況」経常利益は減少傾向

売上高DI(前年同月比)は前回の15から14とほぼ横ばいで推移した。業種別でみると、建設業が20から21、流通業が12から11、サービス業が17から18とほぼ横ばいだった。製造業は10から6と4ポイント悪化傾向を示した。3ヶ月後の次期見通しは、前回の20から17と3ポイント悪化した。業種別でみると、建設業が22から21、製造業が10から9とほぼ横ばいだった。流通業は18から13、サービス業が28から23といずれも5ポイント悪化傾向を示した。

売上高推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

経常利益DI(今月の状況)は前回調査の25から23と2期連続で後退した。業種別でみると、建設業が36から29と7ポイント悪化した。製造業でも22から10と12ポイント二ケタ悪化した。これは2016年8月期以来7期ぶりの水準である。サービス業は23から28と5ポイント改善した。流通業では22と変化がなかった。前年同月比は前回の8から変わらず横ばいで推移した。建設業が10から17と7ポイント業種別では唯一改善した。その他は製造業が6から2と4ポイント、流通業が4から1と3ポイント悪化した。サービス業は12と変化がなかった。

経常利益推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

【在庫感】 「過剰」超過幅が拡大

今月の状況DIは、前回調査の3から11と「過剰」超過幅が8ポイント拡大した。これは2016年5月期以来の水準である。業種別でみると、製造業(6→12)は「過剰」超過幅が6ポイント拡大した。また流通業(0→10)では二ケタの「過剰」超過幅が拡大した。前年同月比は前回の5から11と拡大した。これは2014年11月期以来の数値である。業種別でみると、製造業(5→12)は「過剰」超過幅が大幅に拡大し、流通業(4→9)でも「過剰」超過幅が拡大した。次期見通しは2から7と「過剰」超過幅が拡大した。業種別では、製造業(4→12)も「過剰」超過幅が拡大し、流通業(0→2)はほぼ横ばいだった。

【取引条件】 「悪化」超過幅が拡大

前年同月比DIは4から2とほぼ横ばいで推移した。業種別でみると、建設業(9→7)が「悪化」超過幅が拡大したのを始め、製造業(1→△2)、流通業(5→△1)も「悪化」超過幅が拡大した。サービス業(4→4)は変化がなかった。次期見通しは、前回の7から5ポイント「悪化」超過幅が拡大して2となった。業種別でみると建設業(11→4)・流通業(8→3)・サービス業(7→1)はそれぞれ「悪化」超過幅が拡大した。製造業(3→1)はほぼ横ばいだった。

【資金繰り】 今月の「窮屈」超過幅はやや縮小

今月の状況DIは、前回の△21から△18と「窮屈」超過幅が縮小した。業種別でみると、建設業(△22→△18)・製造業(△18→△14)・流通業(△22→△19)では「窮屈」超過幅が縮小した。サービス業(△22→△20)ではほぼ横ばいで推移した。次期見通しは前回の△17からやや「窮屈」超過幅が拡大し△18となった。業種別では、建設業(△18→△21)・流通業(△16→△19)は「窮屈」超過幅が拡大する結果となった。製造業(△17→△17)・サービス業(△17→△17)では大きな変化がなかった。

【設備過不足】・【施設稼働率】
設備過不足、「不足」超過幅は縮小
施設稼働率、次期見通しは「低下」傾向

設備過不足DI(今月の状況)は△18から△16とほぼ横ばいで推移した。業種別でみると、建設業(△21→△14)が7ポイント「不足」超過幅が縮小し、流通業(△16→△13)でも3ポイント「不足」超過幅が縮小した。製造業(△24→△22)は小幅ながら「不足」超過幅が縮小した。サービス業(△13→△15)は小幅ながら「不足」超過幅が拡大した。次期見通しは前回△18から△15と3ポイント「不足」超過幅が縮小した。この傾向はすべての業種で見られ建設業(△23→△18)・製造業(△25→△21)・流通業(△14→△11)が「不足」見通しの超過幅を縮小させた。サービス業(△15→△13)も小幅ながら「不足」見通しの超過幅を縮小させた。

施設稼働率DI(前年同月比)は前回調査の6から2と4ポイント「上昇」超過幅が縮小した。業種別でみても、製造業(7→4)・流通業(5→△1)は「上昇」超過幅が縮小した。次期見通しは前回調査の2から変化が見られなかった。業種別にみると、製造業(2→7)は「上昇」超過幅の拡大した。流通業(3→△4)では「上昇」超過幅を縮小させた。

【雇用】 ピークアウトする人手不足感

今月の状況DIは前回の△48から△44と「不足」超過幅はやや縮小に転じた。これは2017年8月期の水準である。業種別でみると、建設業(△61→△55)は「不足」超過幅が縮小傾向にあるものの、依然として深刻な人手不足が続いている。その他、流通業(△44→△41)は3ポイント、サービス業(△46→△42)は4ポイントといずれも「不足」超過幅が縮小した。一方、製造業(△43→△45)は「不足」超過幅がやや拡大した。

次期見通しは前回調査の△43から変化がなかった。業種別にみると、建設業(△61→△58)・サービス業(△43→△39)は「不足」超過幅が縮小傾向にあるものの、製造業(△37→△41)は4ポイント「不足」見通しの超過幅が拡大した。流通業(△37→△38)は大きな変化がなかった。

【価格変動】
「上昇」傾向続く仕入価格
販売価格、ほぼ横ばい

仕入価格変動DI(今月の状況)は前回の30から36と「上昇」超過幅が6ポイント拡大した。業種別でみると、建設業(32→40)は8ポイント、流通業(33→36)は3ポイント、製造業(43→58)は15ポイント大幅に「上昇」超過幅が拡大した。製造業の数値は2014年5月期以来の水準である。サービス業(18→20)はほぼ横ばいで推移した。

前年同月比では前回の31から36と5ポイント仕入価格の「上昇」超過幅が拡大した。これで7期連続の拡大傾向である。業種別でみると、建設業(33→44)が11ポイント、製造業(45→58)が13ポイントと共に二ケタ「上昇」超過幅が拡大した。その他、流通業(35→36)・サービス業(18→19)は大きな変化がなかった。

次期見通しは前回の25から28と3ポイント「上昇」超過幅が拡大した。業種別でみると、建設業(25→31)・製造業(36→42)がいずれも6ポイント「上昇」超過幅が拡大した。その他、流通業(27→30)はやや「上昇」超過幅が拡大し、サービス業(17→17)は大きな変化がなかった。

販売価格変動DI(今月の状況)は前回の11から大きな変化がなく10となった。業種別でみると、建設業(10→13)は「低下」超過幅が縮小した。一方、製造業(9→5)は「低下」超過幅が拡大した。サービス業(9→8)はほぼ横ばいで推移し、流通業(14→14)は変化がなかった。

前年同月比は前回14から大きな変化はなく12だった。業種別でみると、建設業(15→14)・製造業(10→9)は大きな変化が見られないものの、「低下」超過幅が拡大傾向を示した。サービス業(12→8)は「低下」超過幅が拡大した。次期見通しは前回の12から8と4ポイント「低下」超過幅が拡大した。業種別でみると、製造業(10→5)は5ポイント、サービス業(13→4)でも9ポイント「低下」超過幅が拡大した。建設業(11→10)・流通業(14→15)は大きな変化が見られなかった。

【借入金利】
短期金利、ほぼ変化なし
長期金利、建設業でやや上昇

短期借入金利DIは前回調査の△4からほぼ横ばいで△3だった。業種別でみると、建設業(△3→△2)・製造業(△3→△5)はほぼ横ばいで推移した。サービス業(△4→△4)は変化がなかった。逆に流通業(△4→△1)では短期金利が上昇した。

長期借入金利DIは前回の△4から△6と「低下」超過幅が拡大した。業種別でみると、建設業(△6→△3)が「上昇」超過に転じた。製造業(△2→△8)では6ポイント、サービス業(△3→△7)では4ポイント長期金利が低下した流通業(△6→△6)では変化がなかった。

【経営上の力点など】 経営上の問題点、「従業員の不足」・「人件費の増加」が上位に

全業種でみた経営上の問題点は、「従業員の不足」(45%)が前回同様の第1位であるものの全体からの比率は下がった。「人件費の増加」(29%)も前回同様第2位となったが、今回は「仕入単価の上昇」(19%)が第3位となった。仕入単価は上昇するものの、販売単価は横ばいであるため、厳しい経営状態がうかがわれた。

業種別でみて特徴があったのは、建設業で「下請業者の確保難」(42%)が、サービス業で「新規参入者の増加」(31%)、「仕入単価の上昇」が流通業(26%)と製造業(33%)で多く回答された。文書回答では「情報媒体の変化による既存商品の陳腐化」「働き方改革の名のもとに就労時間の減少でサービスの提供がしにくくなってきた」「自動車のEV化への時流の見極めが難しい」があった。

全業種における経営上の力点は、第1位「付加価値の増大」(57%)、第2位「新規受注(顧客)の確保」(50%)、第3位「人材確保」(39%)で前回から変化がなかった。


<会員の声(業種別)>

(1)建設業

●建設業の業況判断DI値は高位ながらほぼ2期連続で低下。売上、経常DI値はジグザグ状態です。会員の声からは、足元は多忙だが変調感やピークアウト入りが広範多数から寄せられました。不動産バブルの末期状態と同じような様相が散見されるも、超低金利のため安売りはせず、高価格水準で維持され動きが鈍り在庫調整の局面に入っている模様です。東京圏や大阪圏の落ち込みに比し製造業を中心に民需もやや堅調な名古屋圏域に全国大手ディベロッパー等が集中参入し、大手優位で中小の苦戦も報告されました。中国政策、世界政治外交、日銀の金融政策などマクロな視点で現在状況と立ち位置を認識すべきでしょう。

(事務局 加藤)

1.総合工事

  • 現在を含め来年2~3月までの仕事はあるが、その先の動向が見えない。少なからず消費増税の対策で前倒し物件がいくつもあるように思える。
  • 現在のところ需給はひっ迫し施工をこなせない業種もある。今後まだ増えそうだ。ただ、来年度は売上が下がるのではという懸念があり営業強化を検討。人員不足で在籍者への負担が増えるので辛い。

2.基礎、土木

  • 土木工事は値引きがないが建築系は値引き交渉がまだある。小規模な取引会社が倒産しそうで観察している。燃料代が徐々に増えてきた。
  • 前期までは公共物件の不調が続いたり応札業者の数も少なかったが、今期から不調物件の数も少なくなり、やりにくい物件や小さな物件でも応札業者の低入札がかなり目立つ感じがする。低価格で受注しても下請け業者が少なく価格は上昇し膨大な管理コストがかかるようになり厳しい状況が続きそうだ。
  • 鋼材費は去年暮れから値上げの影響がある。大量の支給材で凌いでいるが、自給材の購入時期は市場単価が安定して下がるのを待って買い渋っている状態。現在は据え置きの情報。鉄筋工事業組合の情報では、仕事量減のなか施工単価の下げ合いが後を絶たない状態。今秋から来年にかけては、予定工事が増えてくる予想があり施工単価を安易に下げないで受注できるのを期待。建設キャリアアップシステム導入に向けても期待を寄せているが、底辺での醜い単価の下げ合いがあり業界の安定を欠く状況は、解脱できるとは思えない。今後の建設業を担う若者が少ない中、真剣に慎重に取り組んでいきたい。
  • 業界では相変わらず価格競争での仕事の取り合いが蔓延している。見積依頼が増えてきているおり、今後忙しくなってくる見通しはあるのでやや安心。

3.左官、屋根外壁、外構

  • 去年から繁忙期に変化がみられる。
  • 単価据え置きながら、従来の商品よりも大きく付加価値の高い商品の提供を要請されるという事実上の値下げ要請。
  • 協力会社、社員ともに人手不足で仕事が間に合わない。
  • 消費税増税による駆け込み需要で、引き合いは非常に多いが、その後の反動減が心配。
  • 数年前の業界内低価格競争で現在厳しい状況になっている。低価格を適正価格に変えていくのが課題。

4.給排水管工事、電気工事、設備工事

  • やや失速か。協力業者の不足も痛感している。
  • 企業が経営していくうえで明暗を分ける分岐点に来ていると思う。建築業界も大手の一部は伸び続けており、県外業者が愛知県に流入してきているので地場工務店等の倒産が今後増えていくと思う。
  • 職人の人材不足感が強く、他現場とのスケジュール調整が非常に難しい状況の中、関東圏からの仕事依頼も入るようになり、オリンピック特需を感じるようになってきた。今後、元請は下請け業者確保で苦戦することが予想される。
  • 家電製品、特にエアコンは消費増税を控え、消費動向が偏る懸念がある。前回は次年度に売上大幅ダウンの経験があり需要の冷え込みを実感した。

5.不動産

  • 着実に需要が減ってきているのを感じる。
  • 大手の仕入が鈍ってきており地場が買える状況に推移。駅前とそれ以外で格差拡大。工場需要は低下し事務所や運輸倉庫需要は増加。大手ゼネコンやハウスメーカーは堅調だが中堅建設業は失速感あり。

6.建築設計

  • 今期の売り上げは、得意先の一時的な業績の良さからくるもので、長期には期待できないものと考える。来季はどうなっていくのか、不安定である。
  • プロジェクト進行の遅延など纏まりかけた仕事が順調に進まない事が多く聞かれる。
  • 短期的には好景気だが数年先には不景気になることを感じている様子だ。
  • 11月をピークに確認申請数が低下。計画もペースダウンしピークアウトで完全に調整段階入りの感。
(2)製造業

●製造業の業況判断DIは、17年11月調査の36をピークに下落傾向が見られ、前回の28からさらに落として今回23となっています。前年同月比(11→8)、次期見通し(30→29)も小幅ながら下げ傾向。さらに、売上高(10→6)、経常利益(22→10)とも下げ傾向にあり、これは、仕入れ価格の上昇(43→58)、販売価格の低下(9→5)が大きく影響しています。しかし、設備過不足(△24→△22)、雇用動向(△43→△45)はいずれも不足感が高止まりしています。景況分析会議の参加者の発言からも、先行きは「横這い」と回答する企業が多く、受注はできても、人手不足や部品の納入遅れなどで、生産は現状でほぼ上限に達しているものと思われます。

(井上一)

1.金属加工・樹脂加工

  • 自動車業界は、国産の減少と海外現地生産化が進む中、EVへの移行が進んでいる。もうひとつの軸足を自動車以外に求めるも、量産機主体で行っているため転換が難しい。
  • 材料費がさらに増加。製造業は全体的に忙しいが、国内が最終ユーザーの仕事は横ばい程度で、中国向けが忙しいと感じる。
  • 大企業は利益を出しているが、中小企業までその恩恵が来ていない状況で、零細企業は廃業するところが多くなっている。そのため、廃業した企業の仕事があるが、利益確保が難しい仕事が多い。
  • 自動車業界では新規部品と試作品が激減している。自動車業界を主軸にしていると衰退してしまう気がする。
  • オリンピック後には景気低迷が予想されるため高賃金を支払ってまで人員募集を行っていない。IT化など設備投資で対応できる領域に注力している。
  • 人材難、特に中小企業にとっては新卒者の確保が難しいとは言われているが、主にやりがいを求めた中小企業志向の学生も一定数は存在し、企業努力により打開出来ると確信している。

2.機械部品・機械製造

  • 仕入れ材料等の納期がこの一年位で3倍から4倍に延びているため、客先の設備計画そのものが成り立たなくなっている。
  • 人材不足で同業他社が対応できなくなってきているため、その仕事が弊社にまわってきているだけで、景況感そのものは良いとは感じていない。客先の廃業が進み、売買のバランスが崩れた時に、今のままでは立ちいかなくなると懸念している。そのためにも新規事業展開につながる糸口を常に探している。
  • 自動車のEV化への時流の見極めが難しい。航空機関連もさほど裾野の拡がりを感じない。思い切った事業転換も含め、より一層自社の強みの絞り込みを行い、準備していくことが重要と感じている。
  • 瓦メ-カ-としてはこれまでに大手5社と中堅2社、昨年はさらに中堅2社が廃業。業界の底が見えない時代。金型製作修理販売メ-カ-も生き残りをかけている。
  • 材料代・消耗品の両方の値段が上がってきている。客先によって値上げを容認していただけるところとそうでないところとがあり、今後の交渉が課題。

3.印刷・包装関連

  • 印刷関連は良くないという答えしか出てこない。事業の再定義にもとづき、市場の声を参考に、新しい市場・仕事を造っていく努力が最重要と考える。
  • 印刷業が不況業種になって久しいが、将来の展望が描きづらい状況。将来展望が描けないので、後継者候補もいない、もしくは頼めない状況。
  • 新しい事業に取り組む過程で調べていくと、すでに大手メーカーが取り組んでいる。ニッチな部分や中小零細企業に向けたサービスなどに特化した尖がったものを考えていく必要がある。

4.食品・繊維製品・雑貨・身の回り品製造業

  • 物流コストのUPやドライバーの不足のため、物流費が上がっている。
  • 原油に由来する製品の値上げの波が来ている。値上げ幅も10%と小さくなく、販売価格・仕入れ価格ともによりシビアにならないといけない。また、拡大を重きに事業展開をしてきたが、一転して拡充に重きを置いて、会社の売り上げ・利益の中身の質の向上に努めていかないといけない。
  • アパレル市場において16年度は国産回帰もあったが、17年度は外製品輸入率が7.8%上昇。国産回帰は一過性であった。昨年度は店頭の98%が輸入製品となり過去最大。国内縫製工場の生産力・技術力が衰退していることと、家内工業化と後継者不足による高齢化が要因。国産という名前だけの付加価値頼みでは「品質」というところで海外製品には勝てない。国産ブランドを維持するためには「日本製」プラス「技術力」が鍵。
(3)流通業

●前回の2月景況調査の結果と比較して各項目の「今月の状況」を見ますと、業況判断DIは24→19と5ポイント減少、仕入価格変動DIは33→36と3ポイント増加、販売価格変動DIは14→14と横ばい、経常利益DIは22→22と横ばい、資金繰りDIは△22→△19と3ポイント増加、雇用動向DIは△44→△41と3ポイント増加、在庫感DIは0→10と10ポイント増加、という結果となりました。また「前年同月比」を見ますと、販売価格変動DIは18→17と1ポイント減少、経常利益DIは4→1と3ポイント減少、取引条件DIは5→△1と6ポイント減少、在庫感DIは4→9と5ポイント増加、という結果となりました。依然として資金繰りと人手不足が深刻で、さらに、仕入価格の上昇によって思うような価格で販売できず、在庫が増大し、利益確保も厳しい状況です。

経営上の問題点(文章回答)においては、第1位「従業員の不足(42%)」、第2位「仕入単価の上昇(26%)」、第3位「人件費の増加(24%)」となりました。また、経営上の力点(文章回答)では、第1位「付加価値増大(59%)」、第2位「新規受注(顧客)の確保(51%)」、第3位「人材確保(37%)」という結果となりました。

(事務局 墨)

1.機械器具(自動車、事務機器、電設資材等)

  • FA関連で日本製品の供給不足が続く、高精度で特殊な製品の製造に中国メーカーが参入し始めてきた。巨大な投資を行い、一気に追い付こうという勢いがある。当分、性能面で追いつくことはないと思われるが、将来的には脅威となる可能性が高い。自動車の生産は安定しているが、将来のEV化の到来を考えると、今の好調の後、一気に落ちることが考えられる。
  • デフレがちっとも直っておらず、大企業が景気の動向を押し上げるも中小零細は下がったままで売り上げ単価の下落に歯止めがかからない。このままの状況で消費税が上がれば、間違いなく景気が冷え込む事は明らか。
  • 機械のメンテナンス要員は採用難しい。他県の同業者も同様である。雇用できる期間が短く検討外だった外国人研修生の採用も考えなくてはいけなくなりそう。

2.建築資材

  • 仕入先の値上げに対してお客様への値上げ対応に苦慮している。
  • 材料費、輸送費など全てが値上傾向である

3.繊維、衣服、雑貨

  • 過去10年の業界の変化のスピードには何とかついてきた感はあるが、この先5年の変化(経営環境がどうなるのか)とスピードに対応できるか不安。
  • 国内の縫製工場の高齢化等に伴う廃業や閉鎖が増えだし、商品の確保に支障をきたし始めている。

4.飲食料品

  • 鰻料理店は今年1月~3月の流通価格上昇に伴いメニュー価格を10%~20%アップした。その結果5月半ばでの前年との数量比較で10%ダウン。高いものは利用しない、買わないという消費動向を県総会の議案書の中の情勢と展望が述べていたが、まさにその傾向が外食産業には顕著に出ていると感じる。
  • 飲食業は外食から、スーパーの惣菜や宅配弁当などの中食が増える傾向との分析がある。
  • 業界全体かなり厳しい状況。取引先の閉店・事業縮小が増。需要の低下により受注が激減。大型連休明けの為かなり業界全体に取引額が減少。

5.運輸、情報通信

  • 大手の採用が活発になっているため、人員が慢性的に不足している。
  • 働き方改革の名のもとに就労時間の減少でサービスの提供がしにくくなってきた。その流れでこのままだと給与支払い額にも影響が出てくる。自社だけの対応ではこれ以上の改善は困難な状況であるが、荷主との連携もとれていない為、進まない。

6.保険、不動産

  • 消費税増税に向けて早めに購入しようとする方が見受けられる。一方で、同業者の中には、高齢の方を中心に実質廃業される人が増えてきているように感じる。不動産の買取は過熱気味。
  • AIの発達による、事務的仕事の減少により、事務系(主に女性が中心になるが)社員の人余り。現実に保険会社(メーカー)は事務系採用を各社、2017年から廃止若しくは縮小している。
(4)サービス業

●今月の業況判断DIは27→32と、過去5年を見ても比較的高い数値となりました。次期3ヶ月先見通しでも、40→37と幾分下がったものの、依然として高い値を維持し続けています。

また、3業種に分けると、業種により大きく差があることが分かりました。業況判断DIは、専門サービス業33→38、対個人サービス業18→18、対事業所サービス業27→39。経常利益DIは専門32→31、対個人14→19、対事業所11→35と、3ヶ月前は目立っていた対事業所の落ち込みが、大きく回復していることが分かります。文書回答では、高齢化に伴う技能の継承、また事業承継に苦慮する旨や、そうしたニーズの高まりを受け、新たな事業として対応を模索するコメントが目立ちました。

しかし、販売価格変動DIは9→8、次期3ヶ月先の見通しも13→4と、激しい価格競争の継続は必至です。取引条件DIの次期3ヶ月先見通しも7→1と、大きく下がりました。依然と引き続き、人材不足を現状の問題として掲げる方が多いですが、今後の力点として「付加価値の増大」を6割弱の方が上げていることから、今後の生き残りには「一定の組織化」「自社ならではサービス」が鍵となることが明らかです。

(事務局 橋田)

1.飲食

  • 4月以降、主力商品であるビールの値段が上がり、去年から様々な食材・商品の仕入れ価格が上がっている。そんな中、苦しい中手段を選ばず攻勢しているのかもしれないが、体力ある大手は値下げして集客しており、個人で経営している店舗はかなり苦しい状況になっている。
  • 若い世代の飲酒離れがあり、会社ぐるみやイベントの二次会等の減少が見られる。

2.産廃・環境

  • 付加価値を付けても再生材は安く買いたいというメーカーが多く、「今後も業界が良くなるとは思えない」という同業者が多い。
  • 取引先自体があまり忙しいという訳ではなく、おのずと私たちの状況もよろしくない。

3.自動車整備

  • 自動車整備は、電気自動車・自動運転など新しい技術の習得と、陸運局提出書類が電子化になることでの事務的インフラを見直すことが必要。
  • 大手の動向が激しくなってきた。

4.美容

  • 中小規模のサロンでも二極化が進む。個人で高単価のサロンも増え、安くて技術が良いお店より、それなりの価格でしっかりと価値を提供出来ているところは安定している。
  • 価格低下を防ぐ為に、仕事の幅を広げ売上を確保することに困難。価格低下の波が、当店にも影響を及ぼしている。

5.専門サービス

  • 業界全体に人材不足が広がっていて、イベント等の運営スタッフの確保が厳しく、効果的な求人もない状況が続いている。中には、人材を扱う業務をやめて、業務転換を検討したり、全く違う業態へ転換する企業も現れている。
  • 仕入や経費等の支出は、値上げにより増加している。さらに、世間一般の動向により、人件費を上げなくてはならない状況となっているが、売上単価の引上げは困難であり、利益及び資金繰りが以前と比べ悪化してきている。今後もこのような状況が続くものと覚悟している。
  • 仕事はあるがスタッフが足りない為、売り上げ増が見込めない。現在のビジネスモデルの変更を検討中である。
  • 相続手続きの代行を謳う士業の種類が増えてきている。行政書士、司法書士、税理士、弁護士、相続診断士(非国家資格)など。「相続」は大きなビジネスチャンスとなっている。
  • 事業承継の分野において、新たなお客様のニーズが発生していると感じる。相続分野と関連してくるが、収益の新たな柱となりうるかと思う。
  • 新規の業務依頼は、相手先の人手不足からくるようにも見える。

6.デザイン

  • 名古屋で発注される仕事のボリュームが減っている気がする。東京の企業と合併し、東京発注に切り替わるケースが見受けられ、リニアのストロー効果が前倒しで起きているのではと思う。