活動報告

金融アセスだより(第106回)

金融機関との信頼関係

11月18日に開催されるあいち経営フォーラムにおいて、金融委員会は第15分科会を担当します。テーマは「同友会らしい経営の実践が金融機関との信頼関係を強くする」です。昨年に引き続き、「経営者保証に関するガイドライン」を基軸に、分科会の内容を作り込みしています。

金融機関から融資を受ける際に必要となる個人保証は、経営者にとって悩みの種です。「経営者保証に関するガイドライン」には、(1)法人と経営者個人の資産・経理を明確に分離し、(2)強固な財務基盤を高めて信用力を高め、(3)法人から適時適切に財務情報開示がなされれば、経営者保証や不動産担保がなくても融資を受けやすくなるとあり、経営者自身のために保証を外す取り組みが増えています。

これだけを聞くと、保証が外れる=経営者の負担減少、というメリットだけが強調されがちですが、その半面、スピーディかつフレキシブルな融資が行われなくなるというデメリットも出てきます。

企業倫理を確立する

皆さんの周りや同友会内でも、経営者保証を外すことができた事例は増えていると思います。それらは会社規模や財務内容、取引先の大きさなどといった外見だけで判断されがちですが、実は経営指針の有無や実践内容、経営者の人となり、従業員や取引先・顧客などとの関わり方など、同友会での学びが実践できている企業の事例が多く見られるのです。

逆に、経営者保証を外すことができるにもかかわらず、あえてそのままつけておくというケースもあります。

「保証を外す」「外さない」を目的とせず、同友会らしい黒字企業の実践と、企業の透明性を高め、企業倫理を確立していくことで、金融機関との強固な信頼関係を築く取り組みをしていきたいです。

イスクラアセットプランニング(有)  二村 佐斗史