活動報告

愛知同友会景況調査(2016年2月末)

景況感大幅に悪化
~本格的な不況到来に備えた準備を

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[調査要項]

調査日 2016年2月8日~2月18日
回答企業 1411社
(建設業206社、製造業328社、流通業425社、サービス業452社)
平均従業員 24.8名(中央値8名)

21年目を迎える

愛知同友会の景況分析は1994年より始まり、21年目を迎えます。その特徴は、他の調査より早く好況・不況の影響が表れるところにあります。今回の調査結果では、今後の景気動向を予測する上で大きな変化がありました。

まず景況判断では、今月の状況・前年同月比ともに大幅に悪化しましたが、なかでも製造業と流通業の前年同月比の値は大幅なマイナスとなっており、愛知経済は油断ならない局面に入っていると考えられます。

ヒアリング調査では、製造業のロボット関連企業が好調であるとの指摘がありましたが、自動車関連企業からは生産に携わる車種によって忙しさに偏りがあること、繁忙な企業でも単価の低さから厳しい状況にあるという意見が出されました。

さらに中国経済の減速や2月に行われたトヨタ自動車の国内工場の操業停止の影響は小さくなく、景況感の悪化の一因となったようです。この操業停止の巻き返しも期待していたほどではないうえに、夏以降の減産を予想する声もあり、先行き不安が増しています。

景気底上げ 要因に乏しい

景況分析会議(3月2日)で各業界の景気動向と今後の見通しを語る会員経営者

景況分析会議(3月2日)で各業界の景気動向と今後の見通しを語る会員経営者

建設業からは、官需は年度末ということもあり仕事量が少ないものの、民需は戸建て住宅や賃貸マンションの建設などが堅調であるとの意見が出されました。ただし、この民需の動きも以前ほどの活発さはないようです。また職人不足による労務費上昇のため、仕事はあっても採算が合わないという意見もありました。

今回、愛知では景況感が大きく悪化しましたが、これを一時的なものとみるには、国の内外問わず景気を底上げする要因に乏しいと言わざるを得ません。それゆえ先行きへの警戒感が高まり、2期連続の見通し悪化となっているものと思われます。

これから中国経済の減速や米国での利上げの影響が本格化すると考えられますが、現状では両国の代わりに世界経済を牽引する国が出てくると期待することは難しく、本格的な不況が到来する可能性も否定できません。そのような最悪の場合に備えて、今から何をすべきか考えておくことが必要です。