活動報告

労務労働委員会(8月9日)

安心して働ける職場
~就業規則の学習会

坂野 豊和氏  (株)まるは

対話の中で学びを深める委員会メンバー

働き方を考える

労務労働委員会で就業規則学習会が行われ、まるは代表取締役の坂野豊和氏に勤務時間、年間休日について報告いただきました。

まるはは創業から67年、地域密着型の老舗食堂旅館として、親子三代でお客様に新鮮な魚料理とくつろぎの空間を提供しています。8店舗を営業し、正社員110名、パート220名を雇用しています。

サービス業特有の土日勤務、平日との予約数で仕事量の差を緩和するために、3つの勤務パターンで1カ月ごとの勤務日程表を作成した変形労働制を取っています。

同社では、坂野氏が家業に入ったものの、トップダウン経営をした結果、採用しては社員が辞めていく状態が続きました。坂野氏は、社員満足がなければ顧客満足に繋がらないことを同友会で学び、売上よりも社員の働く基盤を整えることに注力します。社員と共に経営指針・キャリアパートナーカードを作成するなど、社員目線の職場改善をしました。

社員目線の環境づくり

そして代表取締役就任後、経営指針発表会を開催。経営の根幹である改善提案は、正せば正すほど要望が出てくるといい、現在は週休2日制の導入と有給休暇の消化率向上に向けて取り組んでいます。安易に人を入れるのではなく、今のメンバーで休日をしっかり取れる環境をつくることが一人ひとりの満足度や業務の効率化に繋がるとして、社員に理解と納得を促しています。

また、新入社員研修など入口の段階で就業規則・賃金規定をいかに伝えるかを重要視しています。これまでは「待ち」の姿勢で求人を行っていましたが、働きやすい職場づくりを意識することで、口コミで採用できるようになってきたといいます。

人手不足だからと、同じ目的に向かえない人を間に合わせで採用しても、人の意識や考え方を自社に合うように変えることは簡単ではありません。やる気を図るツールとしてパートナーカードを活用し、意識の高い人を採用し続ければ、時間はかかるけれども強い会社に変われると坂野氏はいいます。

同友会の目指すべき企業像として、社員が安心して働ける担保としての就業規則と、将来を描く指針を携えて、社員と向き合う覚悟を持つ重要性が報告されました。