「事業性評価」への期待高まる
~1544社が回答
昨今、金融庁の行政方針が変わりました。担保や過去の数字で融資を行うのではなく、企業の将来性を含めた「事業性評価」により企業の成長と地域全体の活性化を支援し得る金融仲介機能の強化です。私たちも襟を正し、自社経営の舵取りを行い、金融環境の改善をめざした足元からの運動推進が求められます。
今回のアンケートでは「事業性評価(担保より将来性を評価)」および「経営者保証ガイドライン」を中心に、中小企業と金融機関の現状における実態把握を目的として調査を行い、1544件の有効回答を得ました。
結果の概要は以下の5点。(1)経営者保証を提供して融資を受けている企業がまだ9割存在(グラフ1)、(2)融資のほとんどが無担保無保証になった企業が2割へ(グラフ2)、(3)第三者保証の提供は依然として残り、直近融資でも14%の企業が求められている、(4)無担保無保証融資では政府系金融機関の役割が大きく働き民間金融をリード、(5)「事業性評価」は金融機関の間で温度差が大きく、また渉外担当者の理解と企業側の取り組みはまだまだこれから、というところです。
文章回答からは、経営者保証や第三者保証をはずそうと様々な角度からアプローチがなされ、成果を獲得している企業も見られます。事業性評価についても同様に、経営指針などの積極的な情報開示とコミュニケーションを進めています。
一方で、認知や理解は企業側、金融機関担当者ともまだまだ低いのが現状といえます。金融商品優先の営業や財務数字だけの判断、またリスケジュールで再生に奮闘し黒字を出しているにも関わらず、新規事業などへの資金は厳しい現状などを訴える回答も多くありました。
- 調査期間 8月21日~8月31日
- 回答企業 1544社