活動報告

西尾張支部例会(1月29日)

エネルギーシフト
~環境が大きく変化する時代の考え方

井内 尚樹氏  名城大学経済学部 産業経済学科教授

海外での事例を説明する井内氏

エネルギーシフトとは

全国的にエネルギーシフトを切り口とした新しい循環型地域経済づくりが注目されるなか、西尾張支部例会では名城大学教授の井内尚樹氏を報告者に迎え、同友会の掲げるエネルギーシフトについて基礎から勉強しました。

エネルギーシフトには大きく2つの意味があります。

1つは「エネルギーそのものをシフトする」こと。これは、省エネ、エネルギーの高効率化(住宅の高断熱化、地域暖房、コージェネレーションなど)、再生可能エネルギーの3つの方法による取り組みです。2つ目は、エネルギー供給の仕組みを大規模集中型から小規模分散型へシフトすることにより、経済構造を転換させることです。

省エネと熱の効率的な活用、小規模分散化が地域に仕事とお金の循環を生み出します。エネルギーシフトはエネルギー全般を見直し、持続可能な社会と、質の高い暮らしを実現できる新しい経済システムを構築することです。

大木町の事例
~エネルギーから出発する6次産業の循環化

エネルギーシフトの実例の1つが福岡県大木町です。

同町では、(1)何でもリサイクルし、ごみの発生抑制を優先した資源を無駄にしない社会を目指す、(2)地域主導、低コスト、低環境負荷、高価な最新技術に頼らない、(3)地域住民の納得と協力を柱とするゼロウェイストという考え方に基づき、住民参加型のまちづくりが進められています。

そのなかで「おおき循環センターくるるん」が建設され、家庭の生ごみ、合併浄化槽の糞尿等からバイオガス発電を行っています。さらに、発酵後に残った液肥を農業に活用することで、地域資源を100%活用しています。農作物は地域で生産、販売され、消費されます。6次産業の循環化で地域雇用を増加させています。

これからは地域主体のエネルギー生産が地域課題を解決し、持続可能な地域を形成していく時代です。そして主役は中小企業家です。エネルギーシフトを軸にした企業経営を私たち自身の手で広げていきましょう。