活動報告

労務労働、共同求人合同委員会(7月13日)

会社の未来の姿を描く
~採用基準と労働契約

吉田 昌容始氏 (株)エースベーキング
伊東 真文氏  伊東真文社会保険労務士事務所

グループ討論では、「労働環境の改善後の姿を描こう」などの意見が出る

7月例会は労務労働委員会と共同求人委員会が合同で開催し、「採用基準と労働契約」について、経営者側からエースベーキングの吉田昌容始氏、社労士側から伊東真文氏が報告しました。

どんな会社にしたいか

業務用の食パンや菓子パンの卸売を行うエースベーキングでは、365日体制で長時間労働、休みも取りづらい状況が続いていました。吉田氏は、新卒採用を始めた7年前と今では、雰囲気が変わってきたといいます。

昨今は土日休みで残業なしの条件で初めて応募が来る傾向が強くなり、やりがいや働きがいを伝える前に職場環境の改善なくして採用ができません。また労働組合が結成された経験から、時代の流れに合った就業規則や賃金規定の見直しを行っています。

この根底には、「どんな会社にしたいか」を描くことが大切です。また賃金規定の変更で社員の時間に対する意識も変わり、労働時間と休みのバランスを考えるようになったといいます。

就業規則にビジョンを

続いて伊東氏からは、就業規則にはルールのみを記載するのではなく、会社のビジョンを盛り込んでほしいと語ります。自身が会社員として働いていた時、働く中での疑問を上司に尋ねても満足な回答を得られず、不安になったといいます。社員側としては会社での未来を描けない時に不安要素が生まれ、見切りをつけることもあります。

また、きちんと就業規則を説明しないことで社員は会社に裏があると思ってしまい、ブラック企業と思われやすい傾向にあると話しました。雇用契約は正社員だけではなく、パートやアルバイトとも結ぶ必要があります。つまり、採用の入り口の段階での労使双方のコミュニケーションが大切と語りました。

グループ討論では、労働環境を改善するその先の姿を描こうという意見が出るなど、各社の取り組みの交流や目指す姿の共有を行いました。