活動報告

第2回理事会学習会(9月25日)

下請代金支払遅延等防止法
~より適正な取引環境確保の可能性

小笠原 隆氏  中部経済産業局下請代金検査官室・室長補佐

事例を中心に、下請取引適正化の動きを学ぶ

下請取引の公正化へ

第2回の理事会学習会が、「下請代金支払遅延等防止法と下請取引適正化の動き」をテーマに行なわれ、小笠原隆氏(中部経済産業局下請代金検査官室・室長補佐)を招いて開催されました。

「下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)」は、下請事業者の利益を確保するためには、「独占禁止法(以下、独禁法)」の違反事件処理手続とは別の簡易な手続が必要という考えから、独禁法の補完法として1956(昭和31)年に制定されました。

同法は、下請取引の公正化と下請事業者の利益保護を図る目的と中小企業関係法の性格もあることから、中小企業政策の重要な柱として位置付けられています。

加害者となる可能性も

報告では、具体的事例に基づいた運用のポイントや、違反となる注意点についても解説。中小企業であっても、下請事業者として被害を受ける側だけでなく、親事業者として違反行為をする加害者となる可能性もあることが強調されました。

この間の下請代金の現金払い化に代表される、現在の下請取引適正化の動きは、「世耕プラン」に基づく2016年末の中小企業庁と公正取引委員会の通達にその端緒があります。業界ごとに進み具合も異なるなど、まだまだ変化の過渡期ですが、法令に基づき、適切な交渉を行うことで、より適正な取引環境を確保できる可能性が高まっているとの説明は、参加理事から大きな関心を持って受け止められました。

引き続いて行われた質疑応答では、身近な具体的事例が参加者から出されるなど、活発な意見交換が行われるなかで学習会は締めくくられました。