活動報告

金融・資金繰りの実態把握調査(2020年8月)

直撃業種への本腰支援を ~コロナ禍の資金繰り調査

新型コロナウイルスによる第2波の感染拡大を受け、愛知県は8月に再び「緊急事態宣言」を発出し、一部エリアで営業時間の短縮・休業要請が行われました。これを踏まえ、金融委員会では「金融・資金繰りの実態把握調査」を行いました。

7割弱の企業が緊急融資を活用

今回の調査結果からは、7割弱が緊急対策融資を活用。コロナ禍による中小企業存亡の危機に対し、公的金融機関・民間金融機関ともに平時とは一線を画す積極的な資金供給がなされ、「休業要請」や「自粛」等で売上が蒸発した企業の急場を救い、時間的猶予を得ることができました。

しかし、比較的余裕のある企業への積極的な融資営業に比し、「3密回避」「移動制限」といったコロナ禍の影響が直撃し、経営危機に直面した企業への融資は「希望通りの融資が受けられなかった」という回答の割合が4分の1弱と高い数値となり、十分な支援であったとはいえない結果となりました。(グラフ3参照)それは多くの文章回答からも指摘がありました。

(グラフ3)融資条件は希望通りだったか

金融面の徹底した底支え

また、直撃を受けた業種の手元資金が3~4カ月以内とする割合も、全体が13.7%に対し18.2%と高く出ています。年末など追加融資需要も想定され、今後の融資姿勢や条件の変化、および元金返済開始時の返済額に対する不安の声も多く表明されました。

一方で、今後の経済悪化や雇用問題から消費の冷え込みも予想され、既存事業の7割経済での経営計画を考える等の文章回答が多くありました。消費税の一時凍結や支援政策期間の延長を求める声も、多く寄せられています。

地域経済や社会再生へ向けて表面的な新陳代謝論に惑わされず、真正面から企業と向き合い、企業の挑戦を全面的にきめ細かく側面支援する伴走型支援の姿勢と対策が相当量に必要とされてきます。

金融アセスメント運動の成果

今回の緊急金融支援施策が採られたことは、中小企業家同友会が取り組んできた金融アセスメントおよび中小企業憲章運動で勝ち得た成果であるとも評価し得ます。

私たち中小企業家自身も金融バブルに甘えてきた姿勢をあらため、しっかりと地に足をつけ社会に矜持を持った企業努力に邁進するとともに、依然として道半ばである金融機関との関係構築や政策課題に取り組んでいくことが大切といえます。

【調査要項】
(1)調査日 8月17日~28日
(2)回答企業 1136社
(3)平均従業員数 28.9人