活動報告

名古屋第5支部 経営者の集い「入会4年でわが社はこんなに変わりました」11月26日

河合 麻古氏  一弘電機(株)

河合 麻古氏

経営指針と採用

対面活動が制限されても地域の経営者と学び合う場を設け、会員増強につなげようと、経営者の集いを開催しました。会員84名、ゲスト9名が参加し、同友会を活用した自社変革を一弘電機の河合麻古氏の実践から学びました。

一弘電機は配電盤用電気機器販売、電気工事に携わる会社で、河合氏の父親が創業しました。河合氏は、別会社から同社に入社した後に社長に就任するも、経営が分からず不安でした。そんな時、同友会に誘われ入会しました。

すぐに経営指針入門編に参加し、「A4一枚でも経営指針書は作るといいよ」との助言で作成。またその頃、中途社員の入退社の繰り返しで悩んでいましたが、新卒採用をしてみようと一念発起して、同友会の共同求人活動に挑戦しました。

理念が人を呼び、人が会社を変える

初めて参加した合同企業説明会(以下、合説)では自社にだけ学生が集まりませんでした。悔しく思い、同友会で聞いたTTP(徹底的にパクる)を実践。ある企業をまねて「私たちが笑って楽しく生きることで、社会に貢献し人々を幸せにすること」という理念を作りました。

すると、「この理念に共感した」と言ってくれた学生に出会い、採用。その後も毎年新卒採用に取り組み、現在4年目になったその社員と一緒に2名の新入社員も迎え、社内の変化を感じているといいます。

社員の希望に応える会社に

河合氏は社員を「長い目で育てていきたい」と考えます。

ある社員は、日課や習慣等の予定の変化や、2つの作業を同時にすることが苦手だと気づきました。採用段階では本人を含めて誰も気付かず、どうしたらよいか悩んだという河合氏。コンサルタントやカウンセラーに相談したり、関連書籍を読み漁ったりするうちに、ある特性を持っていると分かりました。

その特性を踏まえた工夫と改善を行って、「工事部で働きたい」という本人の希望部署で働けることを目標にしました。これには自覚が大切だと考え、他の社員とも協力して仕事の仕方・あり方の改善を本人主体で進めています。

コロナ以前からの経営指針が実を結ぶ

一歩一歩のTTP

2月頃から新型コロナウイルスに対する危機感を持ったという河合氏。月末には融資を受け、休業手当の申請を行い社員の給与は保障し、時短制度やシフト制を導入しました。新体制で意識づけられた情報共有で、社内全体の風通しが良くなりました。

また、電気部品の仕入れ先拡充を社員一丸となって進めたことで粗利率が向上する等、コロナ以前からの経営指針の計画も実を結びました。

同友会でTTPをしてきたからいろいろなことができたという河合氏。理念にあるように「笑って楽しく」今後もこの窮地を乗り越えたいと、報告を締めくくりました。