生活を保障するために
支給は慎重姿勢
愛知同友会で2020年冬の賞与調査を行いました。
賞与を「支給する(支給した)」と回答したのは66.7%と、昨年の同調査から3.4%減少しました。業種別で見ると製造業が81%から74.2%と6.8%減少し、他業種に比べると大きく下がりました。一方で、サービス業は3割弱(27.4%)が「支給しない」と回答し、厳しい状況が垣間見えるとともに、「検討中または未定」と回答した建設業(19.4%)と製造業(16.1%)の割合が増加したことで、支給に対して慎重な姿勢が結果から見られました。(グラフ3参照)
支給額が「減少した」と回答したのは13.6%から31%と大幅に増加し、とりわけ製造業は半数以上(53.1%)となりました。「昨年並み」と回答する企業の割合も減少し、苦しい中でも支給する経営努力がうかがえました。(グラフ4参照)
社員を思う気持ちは変わらず
記述回答では、「ボーナスは生活給の一部に組み込まれているため、業績が落ち込んでも最低1カ月分は支給したい」(製造業)など、業績が厳しいなかでも社員の生活のために支給を決断する意見もありました。その他、コロナ禍の苦しい状況であるからこそ、「(賞与は)業績によって支給されるものという認識を労使双方が持つことが大切」(サービス業)という声もあり、経営者が社員やその家族を思って支給することをきちんと伝え、理解してもらおうと努力する姿も垣間見えました。
新型コロナウイルス感染拡大が経済に大きな影響を及ぼし、それが各社の業績や社員の給与・賞与にも波及した2020年。いかなる環境でも社員が安心して生活できる企業を目指すとともに、賞与の意味を労使双方で改めて考えることも大切といえます。
【平均賞与】
◎全体 329,009円(前年比 16,047円)
◎建設業 320,327円(前年比 ▲10,733円)
◎製造業 308,524円(前年比 7,274円)
◎流通・商業 340,221円(前年比 16,456円)
◎サービス業 345,009円(前年比 41,073円)
【調査項目】
(1)調査期間 11月16日~26日
(2)回答企業 1055社(建設197社、製造227社、流通・商業250社、サービス381社)