活動報告

南尾張支部合同例会「社長、その想い分かるんですが…重いです」(1月22日)

想いの共有 どう伝えたかではなく、どう受け止めたか

坂野 豊和氏  (株)まるは
鷹羽 浩介氏  アズウェル(株)
朝倉 大希氏  コウショウ物流(株)

南尾張支部合同例会

3氏を報告者に迎えて

1月22日にオンラインで南尾張支部合同例会が開催され、125名が参加しました。

まるはの坂野豊和氏、アズウェルの鷹羽浩介氏、コウショウ物流の朝倉大希氏の3名を報告者に迎え、「社長と社員が想いをどう共有していくのか」をテーマに、自分自身が社員に伝えた想いを社員がどう受け止めていたかを報告いただきました。

今例会では、報告を2回に分けて行いました。

1回目の報告では、プレイングマネージャーの葛藤や古参社員とのコミュニケーション、またコロナ禍での社員との関係など、社員とのコミュニケーションにまつわる経験談を報告いただきました。

違う価値観を理解する

3氏とも、会社や社員に対する想いが強い故に、社員との間でギャップが生じたことがあるようですが、職場やその周辺で、社員の話に耳を傾け、コミュニケーションをとり、社員の価値観を理解する努力をしていました。そうして、一歩引いて社員に仕事を任せられたり、プレイングマネージャーから本来の経営者の役割に専念できるようになったりし、また古参社員とのコミュニケーションも以前より良好になったそうです。

報告者の皆さんは、この厳しい新型コロナウイルスの影響下では、社員に不安を与えないよう常に強気な姿勢で接しており、社員が安心して仕事ができるように、丁寧かつ詳細な内容を伝えることを心がけて、モチベーションを上げているといいます。

その後のグループ討論で、各々が社員との課題を語り、引き続いて行われた2回目の報告では、社員と良好な関係をつくるために心がけていることが報告されました。その中で、3氏に共通するキーワードは「社員と想いを共有」することでした。

想いの発信と社内共有

まるはの坂野氏は、「毎月1回、社内全体で行う朝礼で自分の“想い”を発信し、社員が受け止め、それぞれの部署で朝礼を行い、約十分間の討論を行っている。そうして想いは共有されているようで、社員が変わり、主体性が芽生えてきている。想いの共有こそコミュニケーションの本質であるように思う」と経験を話しました。

アズウェルの鷹羽氏は、「環境の違いを理解しながら、社員をリスペクトし、接している。時に褒め、間違いがあれば指摘をし、感謝も伝えながら、自ら社員とのコミュニケーションをとることを心がけている。その結果、幹部を中心に、率先して部下の育成を行う社風になり、幹部社員みんなが社員を支えてくれるようになった。このときに私は、幹部社員に想いが伝わったと実感した(想いの共有の実感)」と当時の思いを振り返りました。

コウショウ物流の朝倉氏は「自社では年4回の面談を行い、そこで自分自身の想いを社員に伝えている。また常にポジティブな思考を心がけ、今のように景況が不安定な時にも、社員を不安にさせないよう前向きな姿勢を見せている」と話しました。

実は今例会前に報告者の会社の社員にアンケートを実施しており、コウショウ物流の社員は、この時に社長が言ったことを理解していたことがわかりました。

組織が一丸となるには

経営者は会社に責任を持って先頭に立ち、社員を守るために、その強い想いを社員に押し付けてしまい、社員との間に溝が生まれがちです。企業は規模を問わず組織で成り立っており、会社組織全体が一丸となり、目的を同じくして1つの方向に向かわなければいけません。そのためには組織内でのコミュニケーションが重要となってきます。

経営者は、まず社員の価値観を理解して、自分の想いを社員たちに伝え、共有できて初めて本当の意味でのコミュニケーションがとれることを、改めて確認できた例会でした。また私自身は、今は幹部社員の立場ですが、改めて自分の役割を認識できた機会となりました。

(株)鈴木紙器  竹内 和文