活動報告

東三河支部新春例会「コロナ禍を生き抜く同友会らしい中小企業経営とは」(1月22日)

今こそ人を生かす人間尊重の経営を実践しよう

吉田 幸隆氏  エバー(株)

労使見解の目的を語る吉田氏

人を生かす経営を問い直す

東三河支部新春例会は、「コロナ禍を生き抜く同友会らしい中小企業経営とは~今こそ人を生かす人間尊重の経営を実践しよう」と題して、エバーの吉田幸隆氏に報告いただきました。

コロナ禍の危機的状況においても同友会らしい「人を生かす経営」について、どのように実践するか経営者自身が問い直す趣旨でオンラインにて開催し、45名が参加しました。

吉田氏はこれまで、リーマンショックや震災、社員との摩擦など様々な苦難に直面しながらも、指針・採用・共育の三位一体経営を実践してきました。そんな吉田氏でさえ、社員が新型コロナウイルスに感染したことが判明した際には、社員から「家族から『帰ってくるな』と言われた」「出社したくない」「私も不安なのでPCR検査を受けさせてほしい」等、様々な声が上がり、動揺を隠せなかったといいます。

BCPの目的を明文化

社内に不安と混乱が巻き起こる中、「人間尊重の経営とは何か」を問い直した吉田氏は、2013年の経営指針実践編でのことを思い返しました。その時に経営理念の根本の考え方となる「正直でありたい」という思いに至ったことを思い出し、社員の人生、働くこと、家族に思いを寄せ、経営理念に記載されている「安心」を提供する責任が自分にはあることを改めて自覚し、腹をくくれたといいます。

そして、BCPに次のように目的を追記します。新型コロナウイルス感染症が蔓延する中でも生産機能を失うことなく、従業員が一丸となってものづくりを継続して行うことや、社員及び顧客と真摯に向き合い信頼関係を築き、地域に存在すべく経営理念である「追求・創造・安心」のもと嘘偽りなく正確に説明する責任と姿勢を持つことが何より重要と記載しました。

さらに、コロナ禍における心がけとして、感染を防ぐ行動を改めてお願いするとともに、不安になってもすぐに病院に駆け込まず、まずは保健所に相談すること、また、感染者や濃厚接触者に対して偏見や差別感情を持たず、個人や生命の尊厳を念頭にした配慮ある対応をするよう社員に伝えました。

労使見解の3つの側面

まさに今コロナ禍において、労使見解の3つの側面(生きる、人間らしく生きる、暮らしを守る)が脅かされていると吉田氏はいいます。

そして、経営者には労使見解から学ぶべき4つの点を実践する責任があり、さらには何のために必要なのか、その目的を自覚することが重要であると強調します。

たとえば、第1の「経営姿勢の確立」とは、何のために必要かというと、社員との信頼関係を構築するためです。第2の「指針の成文化と実践」は、全社一丸体制を築くため、第3の「社員をパートナーとする」のは、経営指針を共に実践するため、第4の「外部環境の改善」は、経営を安定的に発展させるために必要だといいます。

労働に誇りと喜びを

また経営者は企業理念を確立し、経営指針を明確にして未来展望を明らかにし、社員に働く誇りと喜びを与える責任もあります。また、人間尊重とは決して人にやさしいとか人を大切にするというだけでなく、必要な労働条件を整備し、自己実現できる会社、未来に夢と希望のある会社を一緒になってつくっていく覚悟が、経営者だけではなく社員にも必要だと語りました。

グループ討論では、(1)三位一体の経営(経営指針・共育・採用)がなぜ必要か、(2)今、自社において実践できることは何か、を議論しました。グループ発表では、「社員と向き合っていきたい」「経営指針があると経営者の姿勢がブレない」「労使見解を1から学びたい」「経営指針で考え方を明確にして共感する人を採用する」「思いを共有し、共に経営指針を作っていく」等の意見が出されていました。

例会終了後のオンライン2次会には15名程が参加し、短時間ではありましたが、意見交換をすることで交流を深めることができました。

一幸建設(株) 山本 敬輔