活動報告

第51回中小企業問題全国研究集会(福島)3月13日

あれから10年 数多の試練を乗り越えて
~第51回中小企業問題全国研究集会 from 福島を開催

震災復興シンポジウムでのパネル討論

全国1000人がオンライン参加

東日本大震災から10年。節目の年に、第51回中小企業問題全国研究集会が開催されました。今回は岩手、宮城、福島の3同友会による「東日本大震災復興シンポジウム」としても位置付けられました。

全国から1000人近い経営者がオンラインで参加、一方パネリストや実践報告者は福島の地に参集し、福島同友会の皆さんと共に地域の再生にかける熱い想いを全国の仲間に発信しました。

記念講演は映画「Fukushima 50」原作者の門田隆将氏より「福島第1原発事故は日本人に何を問いかけたのか」と題し、頻発する自然災害対応への教訓を提起。事故当時、現場では何が起こり、職員の方々が日本を救うためどんな思いで対応していたのかを取材に基づき紹介。「この人となら死ねる」と全職員が思っていたというエピソードから、「経営者は、一人ひとりの社員とどのような人間関係を築いていくのかを考えてほしい」と、私たちがめざす全社一丸の企業づくりへの示唆をいただきました。

福島同友会の復興指針の取り組みを語る 渡部明雄副理事長(右)

続くパネル討論では、震災から10年が経過する中、被災地の現状、課題、展望を3同友会の代表役員が報告。震災の教訓を確認し、直面するコロナ禍を乗り越える知恵と力を学び合いました。地域の課題を自社の課題と捉え、内需主導の地域資源循環型の社会づくりを進めることがますます求められており、今後の運動推進において、各社の経営指針に社会性の自覚が重要であることが確認されました。

中小企業家の志が日本の未来を拓く

岩手同友会の地域復興の取り組みを語る 田村満代表理事(右)

第2部では、災害やコロナ禍の中小企業問題として3つのテーマ別報告を開催。

「新しい事業戦略」では、先行きが見通せない中、自社の事業領域を明確にし中小企業ならではの強みを発揮した市場創造の実践を報告。また「持続可能な社会」では、振興条例をもとに地域の将来ビジョンを描き、地域の若者を育てるキャリア教育と中小企業の関わり合いを報告。そして「人を生かす経営」では愛知同友会の高瀬喜照氏(高瀬金型)より、中小企業は生きることを保障し、互いに協力し助け合いながら暮らしを守る砦であり、周りで幸せに暮らせる人を増やしていきたいと、自身の経営目的と経営実践が報告されました。

激変する時代だからこそ、ぶれない理念を深めることが大切です。先の見えない不透明な時代だからこそ、ありたい姿を明確に描き、将来展望を示すことの大切さが、改めて確認されました。

その担い手として同友会理念を各社で実践し、地域の隅々に同友会の学びを広げていく。それが、中小企業家の志が日本の未来を拓くことにつながることを確認し合い、閉会となりました。