活動報告

東三河支部例会「農業の明るい未来を拓く」(2月26日)

吉川 正氏 (株)にじまち

ブランド化で他社との差別化を図る

強みを見出し活かす

時代とともに食に対する意識が変化し、農業分野の需要も激しく移り変わっています。そうした中で生産者は市場の相場や需要に左右され、商品廃棄や安値販売をせざるを得ず、収益の確保が難しくなってしまいがちです。

私たち経営者は、いかなる状況であっても会社を維持し、発展させていく責任があります。そのためにも、市場の相場や需要の変化にも負けない自社の強みを見出し、活かすことが大切です。

2月度東三河支部例会は、知多地区所属にじまちの吉川正氏に「農業の明るい未来を拓く」と題して報告いただき、自社の強みを考える機会としました。

マーケットは何を求めているか

にじまちは、設立当初から「経営理念」と「自社での価格設定」を軸に、自社製品を高める努力をしています。当初は栽培の失敗などもありましたが、紆余曲折を経て、高度に環境制御された太陽光利用型植物工場でミニトマトを中心に、有機肥料のみを使い隔離土耕で栽培しています。

植物工場では、珍しい有機肥料栽培と「金赤トマト」のブランド化で他社との差別化を図っています。吉川氏は、この差別化と分析を活かす経営を高めるためにも、「マーケットが何を求めているかを考える」と話しました。

商品の背景を伝える

今までは百貨店などでブランド化し、高値で販売することが目標でしたが、新型コロナウイルスの影響で売上げも3割減となり、当初と同じ販売は見込めなくなりました。そのため、ネット販売や直売所、スーパー、SNSの活用に販路を切り替えました。また、同友会での情報収集や他社製品との比較検討の中で、販売商品を3種から1種に絞り、バックグラウンドをしっかりと消費者に伝えることを意識しているといいます。

その柔軟な対応とぶれない軸で理念共感型の営業をし、このコロナ禍で当初の2倍の販売価格を実現しています。

得意先消費者の需要に応じた形での商品供給を行い、小売りからあてにされる関係づくりをし、八洲建設グループのにじまちとして地域との取り組みを行う。こうした強みを活かし、2023年を目標に化石燃料ゼロの栽培を目指すと抱負を語りました。

おかもと農園  岡本 尚子