共に育つ以外 わが社の道なし
~社員と共に育つとは
杉浦 昭男氏 真和建装(株)
「労使見解」と「共に育つ」
第2回「労使見解」を深める学習会では真和建装の杉浦昭男氏に報告いただき、109名が参加しました。
杉浦氏は塗装業を起業し55年、同友会に入会して40年となります。入会後、先輩会員に「つべこべ言わず同友会精神に学べ。結果は後からついてくる」と常に叱咤激励され、愚直に実践を重ね、創業時3人だった社員は現在42人へと堅実に成長してきました。
杉浦氏の大きな転機の1つに、同友会大学があります。「明日の日本は君たちが背負って立て。経営者たるものリスクを恐れるな」との講義に奮い立ち、新商品を世に出す決意をし、社員と実現させていきます。
杉浦氏は、同友会が労使紛争の教訓から到達した「人間尊重」の土壌に芽生えた双葉が「労使見解」と「共に育つ」であり、すべての経営課題の根幹に位置づくと説きます。賃金を含めた労働条件を間に挟んで向き合う社員と経営者は、対等ではあるが同等ではなく、両者の間にある決して埋まることのない溝の幅を縮め、いかに信頼を築くかは「労使見解」と「共に育つ」の実践にある。これを貫くことで結果がついてくる、と自社を振り返りました。
時代を走り抜けた軌跡と学び
杉浦氏は、一度だけ「共に育つ」看板を下ろそうとした苦い経験があると告げます。そこから学んだことは、「共に育つ」は経営者自身の覚悟であり、社員に求めるものではないということです。
55年の経営者人生で経験した生々しい実践報告は、社員を幸せにする覚悟を持ち、真剣に向き合っているかを参加者に問いかけました。そして、経営者の成功とは、「この社長に出逢えてよかった、この会社に人生をかけてよかったと言われることに尽きる」と報告を締めくくりました。
この学習会を企画した副代表理事の吉田幸隆氏の感想を紹介します。
2つの承継の場に立ち会って
副代表理事 吉田 幸隆
起業した昭和から平成、そして令和へと時代を走り抜けた軌跡と学びが凝縮した報告を聞き、同友会精神を次代へ承継しようとする熱い思いがひしひしと伝わってきました。また、会場には真和建装の社員となったお孫さんも駆けつけ、創業者精神・真和建装イズムを真剣に受け止めていました。
同友会と企業、それぞれの精神の貴重な承継の場に立ち会え、感動で胸が震えた学習会となりました。