活動報告

西尾張支部例会(8月30日)

環境の変化から学ぶ自社の未来創造

真田 幸光氏  愛知淑徳大学教授

真田幸光氏

感染症の流行が続き価値観やニーズが変化

愛知淑徳大学ビジネス学部教授の真田幸光氏を報告者に迎え、西尾張支部例会を開催しました。

昨年から始まった新型コロナウイルス感染症の流行から、1年半が経過しました。変異株がいくつも出現し、最近では急激に感染者が増加しています。真田氏が信頼を置く専門家は流行当時「収束まで3年はかかると思ってほしい」といい、WHOにおいても感染症の収束に向かっていないと報告しています。

この1年半で、人類の価値観は変化しました。消費活動の変化から、顧客のニーズをつかみ、少量変量でも多品種、高品質で適正利潤が得られる新しいビジネスモデルを構築していくことが必要だと強調します。

「世界から見る日本」の視点で自社を考える

国際化には2種類の考え方があり、「日本から見る世界」ではなく「世界から見る日本」の視点から、自社が業界でどのような立ち位置にあるのかを見極め、企業価値をどう高めていくかがますます重要になってくると、真田氏は指摘します。

その上で、海外情勢の影響は避けては通れません。現在、「米ドル」が基軸通貨として地位を築いていますが、近年は法定通貨としての「デジタル人民元」の台頭が目覚ましく、海外取引の際には今後、米ドルでの決済ができなくなる可能性があります。その際、新興国の為替レート次第ではデフォルトが起き、各社の原材料の輸入等に多大な影響を与えることが考えられると、真田氏はいいます。

今回の新型コロナウイルス大流行においては、海外から輸入が止まったことが日本に大きな影響を与えました。こうした制約のある状況下でも中小企業が連携し、1社だけでは難しいことがあっても、同友会会員だからこそ「横連携」でできることを増やしていくことが重要だと、訴えかけました。

「横の連携からどのような経済圏を築き、真の自立型企業を目指すためには何が必要なのかと考え、ポストコロナの社会において飛躍的に活躍していただきたい」と、報告を締めくくりました。