活動報告

東三河支部「話、聞いてくれる人おる?」(9月24日)

経営者が裸になれる場所がある

河合 盛生氏  三和木工(株)

討論発表の意見に耳を傾ける

顧客に教えられたこと

東三河支部では、豊川・新城・蒲郡地区所属で三和木工の河合盛生氏を報告者に迎え、経営者の集いを開催しました。コロナ禍でのオンライン開催ながら各会員の声掛けも実を結び、会員73名、ゲスト28名と、通常開催時と変わらない参加者数となりました。

報告者の河合氏は、木製建具・家具の製造販売を営む三和木工の4代目です。父親の知り合いの同業他社で修行をして物をつくる楽しさや職人としての誇りを持ち、結婚を機に家業に入りました。

先代の父が亡くなると同時に、準備もなく代表に就任。社長の仕事とは、経営とは、何をしなくてはいけないのかわからずに悩む中、先代からの顧客に「あんたのお父さんは作業中でも冗談や面白いことを言いながら仕事をしていた」と教えてもらい、人と人のつながりや向き合うことの大切さに気づきました。

地域の建築関係の先輩から同友会に誘われて関心を持つも、当初は技術を磨くのが優先と、入会は見合わせます。ゲストとして7回出席する間に会社の将来を考え、経営者仲間と一緒に学んでいく重要性を感じて入会しました。

初めての人材採用

入会後は経営指針講座で学び、社内にて同族ばかりで照れくさい中、指針発表会を実施します。これを機に、同友会行事への参加を快く思っていなかった叔父にも想いが伝わり、伝えることの大切さを改めて感じたといいます。

同友会や顧客との関わりの中で、創業100年を超える歴史の偉大さを教えられ、会社案内や新たに名刺も作り、折込チラシなど新しいことにも積極的に挑戦するようになりました。

ホームページから重要文化財の復元工事の受注などが入る中、河合氏はあいち青年同友会合同例会にて報告者を務めます。その際、「人材を採用します」と宣言し、自らプレッシャーをかけて雇用に取り組みました。新たな社員の家族にも会いに行き、その人々も守る覚悟を持ちました。

伝統文化や技術を発信

その後、母親任せだった経理を妻に引き継ぎます。会社の未来を考えるようになり、3S(整理・整頓・清掃)を強化して働きやすい環境づくりにも取り組みました。

また、伝統文化や技術を海外に発信することを考え、海外視察を実施。アンテナショップの構想に向けてオリジナル商品も開発し、社内にスペースを設けて展示しています。幅広い世代の人に伝える難しさを感じながらも、仲間と困難を乗り越えていくことの喜びが語られ、前向きな報告となりました。

グループ討論では、話ができる経営者の仲間はいるか、どんな悩みを打ち明けているかなどを話し合い、ゲストの意見や悩みも聞きました。今後の目標や課題解決に向けた取り組み案なども出され、有意義な時間となりました。

入会宣言のほか、入会に前向きなゲストも数名おられ、同友会の魅力や学びが伝わる経営者の集いとなりました。

(株)アイチ防災  加藤 英輝