活動報告

名古屋第1支部合同例会「社会情勢を読む」1月22日

続・コロナ禍での中小企業の生き残りをかけて

山口 義行氏  立教大学名誉教授

山口義行氏

読む、問う、つなぐ

名古屋第1支部合同例会がオンラインで開催され、157名が参加しました。

新型コロナウイルス「オミクロン株」蔓延の影響で、第1部の企業展は中止となりました。第2部では立教大学名誉教授の山口義行氏より「2022年度の社会情勢を読む~続・コロナ禍での中小企業の生き残りをかけて」をテーマに講演いただきました。

冒頭に、経営者にとっては3つの力、すなわち「読む力」「問う力」「つなぐ力」が必要であるとの話があり、時代を読む、常に問い続ける、知識を分け合うなど経営者としての基本に立ち返ることができました。

コロナ禍において、消費は3つの在り方へ変化しています。1つ目は「自覚的消費」です。これまで仕事の後に、そこにあるからという理由でなんとなく選ばれていた居酒屋は選ばれなくなり、こだわりを打ち出している店がそれを理由に選ばれる時代だということです。その自覚は「こだわり消費」につながります。こだわりから遠くの物でもインターネット通販で買ったり、わざわざ店に赴いたりします。そして「共感型消費」も広がっています。商品を販売している会社の理念に賛同して物を買うことであり、この消費の在り方はクラウドファンディングの広がりにも表れています。

対応すべき3つの課題

今後、企業へ3つの課題が課せられるようになるといいます。1つ目はDX(デジタル・トランスフォーメーション)での企業変革、2つ目はカーボンニュートラル、3つ目は労働市場のオープン化です。

私はこれまでカーボンニュートラルは大企業に課せられた課題だと思っていましたが、仕入れ先や下請けの私たち中小企業にもCO2排出量削減が問われ、取り組まないと取引停止になることもあるため早めの対応が必要だと知りました。

コロナが終息しても、今後も社会情勢の厳しさは続くと思いますが、時代を読み、自身を問いただし、前を向いていこうと思います。山口氏の講演は経営者が時代を読むために必要な内容で、2時間では足らないぐらい学びが多い例会でした。

サンキョー工業  倉野 和昌