活動報告

名古屋第3支部合同例会「持続可能な経営の実践」1月27日

急速に変化する情勢を読む

三井 哲司氏  (株)三井酢店
加藤 三基男氏  サン食品(株)

過去の経営危機と将来を見据えた企業づくりを話す加藤氏(右)と三井氏(中央)

危機に備え複数の柱を

報告者に三井酢店の三井哲司氏とサン食品の加藤三基男氏を迎え、パネル討論形式で名古屋第3支部合同例会を行いました。

酢、こんにゃくの製造という食品業界の両氏。コロナ禍で外食は大きく打撃を受けた一方で、中食・加工品は巣ごもり需要で売上げが増大したといいます。強みに特化した一極集中は経営危機に陥り易く、複数の柱があることで全体での影響を軽微に抑えられていると話します。

過去の経営危機では両氏とも流通構造の変化を挙げ、それにより低価格が求められ利益が出難くなっていること。三井氏は取引先の急な倒産、加藤氏はメーカーの急激な寡占化も挙げ、それぞれ社員との意識共有や金融機関の支援、海外・新市場進出によって乗り越えたといいます。

また三井氏は、危機の際に社員に権限委譲したことで、社員の当事者意識や意欲が高まったこと。加藤氏はクレーム対応を巡っての社内対立で大量退職を経験し、立場による考え方の違いに気づいたこと、「丸投げ」と「やりがい」を混同していたことなどが率直に話されました。

先を見据えて行動を

将来を見据えた行動では、三井氏は人口減少に伴う市場の縮小に対し、ペットの増加やその生活の質の向上に目を向けます。社員の提案でペットフード市場に着目し、社員の意欲向上にも期待しているそうです。加藤氏は、拡大する国内富裕層に焦点を当て、経営理念実現のための「儲かる会社」を社内全体で議論する中、「日本一」「世界一」とのテーマで意見を募集。「青いこんにゃく」という提案から派生した商品が想像以上に売れ、それに続く商品も主力となっているといいます。

同友会の景況調査や国の成長戦略実行計画で変化する情勢を掴み、いかなる環境下でも発展できる企業にしていこうと呼びかけられました。

(株)チタエムアンドディー  竹内 俊策