「人を生かす経営」で、今こそ新時代へ
浅井 順一氏 (株)浅井製作所
小さな工場からの脱却
名古屋第2支部では5地区合同例会が行われました。報告者は障害者自立応援委員長である浅井順一氏で、「人を生かす経営で新時代へ」というテーマでした。
今回の例会プロジェクト会は学習会を兼ねて3回行い、支部役員会メンバーの他、各地区の小グループ活動のリーダーとサブリーダーが参加。「人」について考えるとともに、リーダーとして学びをどのように伝えるかについての意識も深めていきました。
こうして迎えた例会当日の浅井氏の報告は、「人」に関するエピソードに溢れていました。
将来を期待する社員が「この会社では幸せになれない」と言って退職。浅井氏は、小さな工場から脱却し「立派な会社にする」と奮起します。指針書を活用し売上げを伸ばしましたが、リーマンショックで打撃を受け、一時はリストラも考えました。
「働く仲間と共に」
しかし、同友会会員からの「今が試されている時だぞ」の言葉で浅井氏は再び奮起。「立派な会社にする」の象徴である新工場を建設し、外部から管理職を採用。さらに「立派な会社にする」ため、共同体から機能体へと体制を変化させます。
夢を語って立派な工場をつくって働きやすくしたつもりでしたが、その後、立て続けに3名の幹部と多くのスタッフが退職。その理由に気が付いたのは、障害者自立応援委員会での「人を生かす経営」の学びからでした。
社員の働き甲斐を考えず、人をロボットのように扱う組織にしてしまい、互いに助け合いながらいきいきと働く職場を奪ってしまった。そこに気が付いた浅井氏は、「働く仲間と共に」の理念のもとで現在も奮闘中です。
外部から見ると「立派な会社」の象徴に思える大きくて綺麗な新工場も、「人を生かす経営」がなければ、社員からはただの箱に見えてしまうかもしれません。人間が人間らしく生きて働けることの大切さを学んだ例会でした。
(株)中央技研 小島 正寛