活動報告

東三河支部農業研究会(2月8日)

農業経営の未来
~地域と共に成長する農業とは

松原 克成氏  (特非)クオーレ
岡本 尚子氏  おかもと農園
鈴木 晋示氏  (有)こだわり農場 鈴木
高橋  慶氏  (有)環境テクシス

農業と障害福祉事業の連携の可能性を探る

農業業界の現状

農業において人手不足は課題となっており、農業経営者の年齢は高く、事業継続など人に関わる問題が間近に迫っています。農業は細かい作業を伴う手作業が多く、人に頼らなくては解決できません。2月例会は農業と障害福祉をテーマに開催し、障害福祉事業者、家族経営者、農業経営者、企業経営者の4名から報告いただきました。

クオーレの松原克成氏からは愛知県の障害者雇用の現状と、障害と就労の分類について学び、分類に応じた利用者の就労先の様子などを紹介いただきました。おかもと農園の岡本尚子氏からは、作業分担による障害福祉事業との契約事例で生まれた時間と新たな商品開発について。

こだわり農場 鈴木の鈴木晋示氏からは、農作業の一部を障害者に任せたことで社員の労働の負担が軽減されたこと。生産物の加工品を障害福祉事業所に製造委託することで自社商品の開発と販路拡大が可能になった事例が報告されました。

障害者の雇用も視野に

産業廃棄物を利用した飼料・肥料製造を手掛ける環境テクシスの高橋慶氏は、B型就労支援を活用した雇用を通じて、営業範囲でなかった分野への活路を見出しました。またシステム化して仕組みを障害福祉事業所に提供し、事業所の支援も手掛けるようになりました。障害者も作業を通じて、働くことへのやりがいや自信につながるといった報告もあり、農業と障害福祉の相性の良さを感じました。

グループ討論は「今後どのように障害福祉を経営に取り入れますか」とのテーマで行い、障害者に活躍してもらう上での様々な課題や、作業の一部を委託できる可能性などが話し合われました。

中小企業において障害者雇用はハードルが高いと感じられるかもしれませんが、同友会が目指す「人を生かす経営」を実践する上でも、障害者を含めた雇用について考えることは重要です。今例会がそのきっかけの1つとなり、東三河支部の活性化につながることを期待します。

(有)一宮ヤンマー  佐々木 悠